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アパレルSDGsの救世主はバナナ? 三井物産系が茎から繊維を開発

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全世界で年間約10億トンも廃棄されているバナナの茎。そこから生まれた新素材が注目を集めている。コットン、ウール、リネン、シルクに次ぐ“第5の天然繊維”として期待される「バナナクロス」だ。

日経クロストレンド より

 

おやつにもデザートにも運動時のエネルギー補給にもなる「バナナ」。総務省の家計調査(2020年)によると、1世帯当たりの年間消費支出額は4387円と果物の中ではトップの人気を誇る。そんな“フルーツの優等生”とも言えるバナナが今、繊維業界から注目されている。

 アパレルや繊維事業を行う三井物産アイ・ファッション(東京・港)が新たに開発した「BANANA CLOTH(バナナクロス)」は、その名の通りバナナから生まれた天然繊維だ。三井物産アイ・ファッションの笠井克己氏は「麻によく似た性質を持った繊維で、さらっとした感じの手触りが特徴。洋服としてはTシャツやジーンズ、セーターなど、ややカジュアルなファッションアイテムに向いている」と話す。21年3月に行われた「国際 サステナブル ファッションEXPO」に出品したところ、“バナナ”という物珍しさが響いたのか、想定以上に人が集まり、慌てて増産をしなければならない状況になったという。

バナナクロスを使った商品サンプル。ジーンズやトレーナーなど、カジュアルなアイテムをそろえた

原料にしているのはバナナの茎の部分だ。何層にも重なっているバナナの茎の内側を使い、機械で細かく繊維状にしたものを天日干しにし、櫛(くし)でその方向を整えたものを原料とする。詳細な製造方法は「企業秘密」(笠井氏)。様々な企業が繊維化にチャレンジしているが、実用化できているところはほとんどない。

 バナナクロスは“バナナ繊維100%”ではなく、綿を混ぜ合わせたものだ。原料の割合を示す混紡率はバナナ繊維が30%で綿が70%。「バナナ繊維は短く、そのままでは糸にできない。ただ、綿と混紡することにより、バナナ繊維の麻のような手触りと綿の吸水性を併せ持った機能性の高い糸に仕上がった」(笠井氏)という。

 食物としてのバナナの消費量は全世界で年間約1.5億トン。それに対して、廃棄されるバナナの茎の部分は実に年間約10億トンにも上るという。「アフリカや南米、中国やインドなど、様々な場所でバナナは栽培されているが、実際に食べられる量に比べて、その約7倍にもなる莫大な量の茎が捨てられているという現状を知って大いに驚いた」(笠井氏)

 

 バナナは地中深くに張り巡らせた地下茎から新芽を出し、茎を伸ばして実をつける。収穫後の茎は次の新芽のために伐採されるという。バナナ畑で廃棄される茎は一部は肥料として再利用されるが、ほとんどは放置、あるいは焼却される。放置した茎が腐敗すれば土壌を汚染し、焼却すれば二酸化炭素排出の原因にもなる。廃棄物から生まれたバナナクロスが広まれば、将来的に温暖化ガスの排出削減など、地球環境保全にも役立てるかもしれないと笠井氏は見ている。

地中から巨大な茎が伸び、バナナが実る

伐採したバナナの茎の内側を使って繊維を取り出す

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