定期購読者様限定ページはこちら

スタバのSNS活用術 新オウンドメディアで「つながり」を深化

CATERING INDUSTRY(飲食)
スポンサーリンク

1500万人超とつながるスターバックス コーヒー ジャパンのSNS。店頭だけでなく、デジタル上でもファンとの交流が生まれている。そんな中、2021年8月に満を持して開設したのが新しいオウンドメディア「Starbucks Stories Japan(スターバックス ストーリーズ ジャパン)」だ。SNSに加え、深く伝えるメディアをいかに組み合わせているのか、新たなファンとのつながり方を追った。

スターバックス コーヒー ジャパンは、2021年8月に「Starbucks Stories Japan(スターバックス ストーリーズ ジャパン)」と呼ぶ新オウンドメディアを開設した。なぜ今、オウンドメディアなのか

レビCMや大規模なマス広告に頼らない。スターバックスのマーケティング戦略は日本上陸以来、25年間変わっていない。パートナーと呼ぶ従業員を中心としたリアルな接点をコアにしながら、様々なデジタルツールを用い、直接ファンや消費者とつながる方法を模索し続けている。

 ウェブサイトやメールといった“オールド”なメディアに加え、自社アプリを活用。さらに、Twitter、Facebook、Instagram、LINEといったコミュニケーションツールもフルに使い倒す。Twitterは500万人のフォロワーを抱え、Instagramの300万人、Facebookの120万人、さらにLINEまで加えると、何と1500万人以上の規模のSNSによるタッチポイントを有する。そんなデジタル巧者ともいえるスターバックスが21年8月2日、満を持してオープンしたのが新機軸のオウンドメディアだ。その名は「スターバックス ストーリーズ ジャパン」。日本上陸25周年を迎えたことを記念して開設された。

コミュニケーションツールは「4象限」で考える

 新設したオウンドメディアを詳説する前に、まずはそれぞれのメディアやSNSの位置づけに注目したい。下の図は、それぞれのコミュニケーションツールの役割について、横軸に「ブランド or ビジネス」、縦軸に「ストック/プル or フロー/プッシュ」を取って4象限で示したものだ。

スターバックスが活用するデジタルのコミュニケーションツールの位置づけを図示。

横軸は左に行くほどビジネス、つまり販売に直結するイメージ。新商品やキャンペーンの告知などが中心になる。スターバックスの場合は、ウェブサイトやアプリは情報発信をメインとしており、この左側に該当する。一方、右に行けば行くほどブランドとしての価値観や世界観を伝えていくものになる。「我々はこういう理念を基に動いている企業なんだ」「こんな思いで活動をしている」といった、販売に即座に結びつくものではないが、消費者の心に訴えるブランディングに関わるストーリーを発信するものだ。

 対して、縦軸は上がストック/プル、つまり情報が蓄積される場であり、消費者が調べたいと思ったときにたどり付くベースとなるもの。一方、下側はフロー/プッシュと位置づけられ、企業側から情報をプッシュとして送り出し、視野に入れてもらうのが狙いとなる。

 スターバックスのマーケティング戦略で面白いのが、SNSの位置づけだ。企業SNSでありがちなのが、新製品情報やお得情報ばかりをプッシュするもの。この4象限でいうと、左下の領域だ。だが、メールやアプリでコミュニケーションが可能な会員が800万人規模に成長している今、SNSは商品情報などの発信だけでなく、ブランディングにも関わるより人間味あふれるコミュニケーションの場と位置づけている。

SNSだからといって特別なことはしない。店舗体験が根幹に

 SNSで意識しているのが、「デジタル、遠隔的なつながりにおいても、店舗で体験するような“つながり”を感じてもらうこと」と、マーケティング本部 マーケティングストラテジー&オペレーション部 デジタルエンゲージメントチーム チームマネージャーの髙木恭子氏は話す。「思いやりのあるパートナーとのつながりが一番のブランド価値」(髙木氏)だからだ。

 そこでSNSの運営に関しては、キャラクター像を想定して投稿をしている。「誠実さ」「あたたかさ」「未完成(人間らしさ)」を持った店舗のパートナーが語りかけるイメージだ。

SNSは3人(1人はウェブサイト兼任のため2.5人換算)のチームで運営。投稿の際にイメージするのは、上写真のような店舗にいるパートナー。初めて知る・見る情報や、季節・旬なこと、スターバックスらしさを意識して投稿をしているという

一般的に企業SNSへのキャラクター付けというと、ゆるい発信をする“ゆるアカ”を想像する人も多いだろう。気の利いたせりふを投稿したり、面白いネタで盛り上がったり……。だが、スターバックスの主体はあくまでも店舗。「SNSがすてきだから、面白いから、という理由だけでつながってくれているわけではない。店舗での体験が良かったから、SNSでもつながっていたいと思っていただけていると考えている」(髙木氏)。だからこそ、SNSもパートナーと同じ“人”であるべきだというのだ。

なぜ今、新しいオウンドメディアが必要だったのか

▼続きは有料会員限定になります▼

定期購読(サブスプリクション)へのご入会はこちら

コメント