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マッシュ近藤社長がコロナ禍でコスメブランドを立ち上げた「覚悟」

Fashion(ファッション)
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コロナ禍でコスメブランド「スナイデル ビューティ」を立ち上げたマッシュホールディングスの近藤広幸社長。2022年までにBX(ビジネストランスフォーメーション)を達成する道程を見据え、「スタートしてからの1年で苦労しておけば、回復したときに体力がついている。“未来への投資”と判断した」という。

常識にとらわれないアプローチで存在感を発揮しているアパレル業界の“革命者”たちの熱量の原点を探り、それをどのようにしてビジネスにつなげていったかを掘り下げていく。今回はマッシュホールディングスの近藤広幸社長。

マッシュホールディングス社長の近藤広幸氏は、1998年にCGデザイン会社としてマッシュスタイルラボの前身となるスタジオ・マッシュを創業。2005年にファッション事業に参入し、その後ビューティーやフード、ライフスタイル、不動産などに事業を拡大。現在は国内8社、海外10社にまで成長したグループ全体を統括する

日経クロストレンド

より

人気のルームウエアブランド「ジェラート ピケ」をはじめ、「スナイデル」「フレイアイディー」といった女性向けのアパレルブランドから「コスメキッチン」などのビューティー事業、「PARIYA」「ジェラート ピケ カフェ」といった飲食事業まで、幅広い領域における事業を展開しているのがマッシュホールディングスだ。

 社長を務めるのは近藤広幸さん。最初にお会いしたときに訪れた社長室のありようは、濃い記憶として残っている。アートやオブジェ、写真集やビジュアル本などが並んでいたのだが、スタイリッシュに整えるために置いてあるのではなく、仕事で使っている感じがありありとあった。ブランドを立ち上げるときのプレゼンブックを見せてもらったとき、これらが発想を得たりデザインを広げたりするのに役立っていると分かった。感性による創造性を大事にする方なのだ。

 黒を基調としたカジュアルな装いの近藤さんは、「いかにもギョーカイ人」という空気をまとっているが、紡ぐ言葉を追っていくと、原理原則に基づいた硬派な経営者と分かる。時代の流れを読み、その先を切り開いていきたいという強い意志が垣間見える。一方で創造的な仕事は、ファッションという土俵だからこそできるものと仕事を愛している。理屈理論と感性的創造の双方が大事――近藤さんが抱いているこの信念のようなものが、会社の勢いにつながっているのだ。

抜本的なBX(ビジネストランスフォーメーション)を敢行する

 広々とした空間に、ゆったりと距離をとって椅子が配されている。定刻になると、銅鑼(どら)の音とともに女性のモノローグが始まり、装ったモデルが参加者の間をしなやかに行き交う。2021年3月、コスメブランド「スナイデル ビューティ」の発表に際し、同社が行ったリアルイベントだ。近藤さん自らがメッセージを伝えた後、担当者から簡潔で端的なコンセプトや商品の説明があった。

 

 オンラインでの発表会が圧倒的に多い中、十分な配慮と準備を行った上でのリアルイベントだった。通常、コスメブランドの発表会は、新商品の独自性についての細かい説明がなされ、その後、製品サンプルに触れて使ってみるというのが一般的。その意味でもスナイデル ビューティのデビューイベントは異色であり、創造性を大事にして新しいことへの挑戦を次々とやってきた同社の姿勢を表してもいる。

コスメブランド「スナイデル ビューティ」

しかもこのブランド、阪急百貨店や西武百貨店の化粧品フロアにショップがあるのだが、百貨店の化粧品フロアにショップを設けるのはファッションブランドを起点としたコスメブランドとしては日本初とのこと。「シャネル」や「クリスチャン・ディオール」をはじめ、欧米のファッションブランドのコスメはあっても、日本のアパレルブランドで本格的にコスメを展開しているところはほぼないからだ。

 コロナ禍で新ブランドの始動や新店のオープンを延期、または中止するところが多い中、スナイデル ビューティのデビューは鮮烈だった。「延期するという判断もあったのでしょうが、あえて予定通り行いました」。緊急事態宣言の影響もあり、今デビューしても厳しいのは目に見えていたが、22年までにBX(ビジネストランスフォーメーション)を達成するという道程を見据え、あえて踏み切った。「スタートしてからの1年で苦労しておけば、回復したときに体力がついている。“未来への投資”と判断して予定通りデビューさせることにしたのです」と近藤さんはいう。

BXの構成要素は「ヒト、モノ、カネ、DX」

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