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“国潮”が空前の大ブーム! 中国ファッション市場のリアルを深堀り

Fashion(ファッション)
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アジアのなかでも目覚ましい成長を遂げ、ついに世界第2位の経済大国となった中国。経済の話はよく聞くけれど、ファッションの面では一体何が流行っているの? ファストファッションというイメージも強い中国だけれど、「シュシュトング」や「ルイ チョウ」など個性的で世界観をしっかりともったブランドも急増。コロナ禍を乗り越え、さらに盛り上がりを見せている中国のファッション市場のリアルを、日本と中国にルーツを持ち、クリエイティブディレクターやコメンテーターとして活動する陳暁夏代さんに聞いてみた。

今、中国でブームの“国潮”とは?

今、中国の若者の間でトレンドになっているのが、“国潮(グオチャオ)”というキーワード。国風潮流(中華風トレンド)という言葉の略で、アパレルや化粧品、音楽、文学、テレビ番組の演出から商品のパッケージまで、幅広く中国の伝統的な要素を取り入れる風潮のことを指す。Z世代を中心に、中国文化を再評価し、中国ブランドをサポートするという一大ムーブメントが起こっている。

「もちろん伝統的なものなので“中華風を取り入れたもの”自体は昔からありましたが、2016年頃から“国潮”としてカテゴライズされトレンド用語とし確立されました。主に現代コンテンツと中華風の融合を行っているコンテンツのことを指します。バラエティー番組でのフィーチャーや、 ECサイトのキャンペーン、国風・国潮ブランドイベントなど多方面で取り上げることによりその勢いは増しています」と陳暁さんは解説する。

国潮の代表的ブランドとしても知られているのが、中国最大級の老舗スポーツウェアブランド「李寧(Li-Ning リーニン)」。これまでも中国テイストを加えたアイテムを数多く出しており、2020春夏コレクションでは中国発祥のスポーツ、卓球からインスピレーションを得たコレクションを発表している。またパリ・ファッション・ウィークなど海外のファッションショーで発表することにより、国内に留まることのない文化輸出を積極的に行っている。

「李寧」の2020春夏コレクション。ルックのなかには、漢字をプリントした服が多く見られた。

コスメ業界も国潮一色。そのなかでも人気を博しているのが「花西子(Florasis フローラシス)」。国潮を売りにし、中国伝統の彫りや模様、柄を巧みに取り入れているのが特徴で、立ち上げからまだ4年あまりの新興ブランドながら、そのはっきりとしたブランドカラーで人気中国コスメの座を不動のものとしている。

リップスティック本体に中国の伝統模様が彫られた“彫刻リップ”が有名。

中国の伝統工芸を用いて、立体感があふれる浮き彫りが特徴的なアイシャドウパレット。

ここまで国潮がブームになった背景とは一体? 陳暁さんはこう分析する。「ざっくりいえば最大のきっかけは景気のよさです。世界でGDP2位を誇るほど経済が成長したことで国民の自信がぐっと上がりました。今までは自国のオリジナルブランドがあまりなく、優良なコンテンツは海外のものを消費していました。ファッションもおしゃれじゃない、中国は劣っている、などと言われていましたし、国民自身もその意識が強かったのですが、好景気という結果とともにチャイナプライドという“自信”がついたのです。2016年頃の国潮ブーム初期では、まず国内の老舗ブランドとのコラボアイテムが増え、その後は『李寧』のように中国コンテンツとして堂々と世界進出する国内ブランドも増え、評価された。その事実の積み重ねが新たな自信に繋がりました。結果、中国に大量にオリジナルブランドが生まれましたし、ブランドや番組もこぞって取り上げます。国潮を消費することは、ある意味チャイナプライドの誇りと表明でもあるのです

映えは中国のトレンドを語るうえで欠かせない要素

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