定期購読者様限定ページはこちら

現代美術の専門家5人のアートと暮らすご自宅拝見!

ART&BOOKS(アート・本)
スポンサーリンク

自分だけのアート作品を手に入れたい気持ちはあっても、作品の買い方も、飾り方もわからなくて不安、という人は多いはず。そこで今回は、現代美術の世界で活躍する専門家たちの自宅を訪問。どんな風に作品を手に入れ、飾っているのかを直撃!

1.土井未穂さん(アートコーディネーター)

繋がりのなかで出合った作品を飾って楽しむ

2018年にフリーランスのアートコーディネーターとして独立、美術館やギャラリーから企業や行政、コレクターまで、さまざまなチームやパートナーと組んで文化事業のプロジェクトマネージャーやアドバイザーとして活躍している土井未穂さん。画廊で働いていた頃からコレクションを始め、現在は数十点を所有している。「アート投資みたいなのは苦手。いいなと思った作品を展示して楽しんでいます」という彼女の自宅は、多彩な作品が混在していながら、すっきりとまとまっているのが印象的だ。

「きっちり作り込むというよりは、壁の隙間を埋めていくような感じで飾っています。近所に借りているオフィスとマンションのトランクルームにも作品が。それほど大きいものはなく、ソファの背後にある安田悠さんの作品が一番大きいものだと思います」

写真/平面作品は左から山崎愛彦(大・小)、高瀬栞菜、福本健一郎。ニッチ部分には加藤泉のソフビ人形や岩崎貴宏のピンブローチなどを。

写真/上から西澤千晴、大岩オスカール、山上渡、岡本信治郎。テーブルの上はチェ・ジョンファのエディション作品。

推しの若手作家を見つけるのも、アートを買う楽しみのひとつ

そう話す土井さんは、基本的に「作品購入は10万円以下」を目安にしているそう。ただ、ソファの後ろの安田作品は「展覧会で見た時に、色といい雰囲気といい素敵だな、と気になっていたんです。その後ギャラリーに改めて見に行ったら、まだ販売可能だと。当時は画廊勤めでお金に余裕がなかったのですが、どうしても欲しくて、分割払いをご相談して購入したんです」と話してくれた。

写真/正面の平面作品は左から石塚源太、陳松志(2点)。立体作品は手前から岩崎貴宏、宮原野乃実のもの。

仕事柄、何らかの形で繋がりのある作品を購入することが多いという土井さん。国内はもちろん、海外の画廊やアートフェアで購入することも。人気作家の作品はドローイングやエディション作品なら手が届く価格といい、さわひらきやリー・キットなどの作品も手に入れている。

写真/左上からリー・キット、高瀬栞菜、平良美樹。リー・キット初のエディション作品《Portfolio 》はボックス入り10枚セットのうちの一点を購入。

国内外で活躍する岩崎貴宏の作品もあるが、「まだ画廊とお仕事される前に購入したもの。その後、岩崎さんから最初のコレクターの一人が私だと伺って、すごく嬉しかったですね」と教えてくれた。若手の“推し”を見つけるのも、アート購入のひとつの楽しみ方と言えるかも!

写真/金氏徹平コーナー。フィギュア作品はガラスドームをかぶせて。


PROFILE

土井未穂/作家のスタジオ、東京画廊+BTAP、ドイツ銀行グループ勤務を経て独立。国内外における美術館、アートフェア、企業、行政、コレクターのプロジェクトマネジメントなどに携わる。文化庁による「Art PlatformJapan」の事務局業務も担当。https://artplatform.go.jp/

2.市川靖子さん(PRコーディネーター/株式会社いろいろ代表取締役)

気に入った作品だけを集めて私的な空間に

アート専門のPR会社を率いてさまざまな芸術祭や美術館などの広報活動を展開する市川靖子さん。大学院生の時に友人の嵯峨篤の小品を購入したのが、人生初の作品購入だったそう。「本当に気に入った作品を買うことと、無理をして作品を買わないということは常に意識しています。あとは作家やキャラリストと対話できるかどうか。作品の購入が作家への支援につながれば嬉しい」。

写真/テーブル上のハート形の花の作品を中心に今井文の作品が何点も飾られた壁面。床に立て掛けられているのは杉本博司との仕事が完成した時に贈られたリトグラフ。その上の加藤泉のペインティングは20代後半の頃に海外で購入。

仕事場を兼ねた自宅の壁面は、明るい色調の平面作品で賑やかに。特に数点ある今井文の作品については「2016年のあいちトリエンナーレで見て可愛い!と思って以来追いかけている作家。1年に1作ずつでも増やしていきたいと思っています」と思い入れを話す。

写真/コーナー付近の井上絢子の花の作品は「3331 ART FAIR 2017」で、一番左の作品は2014年に青山悟らとのイベントの記念に購入。

作家やテーマに縁を感じた作品を購入

全国の美術館や芸術祭に足を運ぶ機会の多い市川さんは、現地で作品を購入することも。宮崎勇次郎の作品は出張先の大分でたまたま見つけ購入したそうだ。一方で、コロナ禍で展覧会ができない中、2020年に日々制作した小品をインターネット上で発表していた青山悟の刺繍作品は、アトリエで見せてもらった時から購入したいと考えていた。何かしらの縁を感じた作品を手に入れることがほとんど。

写真/出張中に見つけた大分出身の作家、宮崎勇次郎の作品。

「小ぶりの平面作品なら飾る場所には悩まない。意外にベッドまわりもおすすめ。一番作品と向き合える場所に飾るのがいいと思います」とも。好きなものに囲まれる幸せな空間づくり、ぜひ参考にしたい。

写真/陶芸作家、伊吹尚子の蓋物と花瓶。

PROFILE

現代アートのギャラリー勤務後、アートイベントや全国の芸術祭のPRを担当。2018年にアートのPRを専門とする株式会社いろいろを設立。今年は横須賀や奈良での芸術祭のほか京都で初開催のアートフェア「Art Collaboration Kyoto」のPRなどが控える

3.菊竹寛( Yutaka Kikutake Gallery代表)

自分なりのテーマを設定し 壁面をコーディネート

都内のマンションに3人家族で暮らす、Yutaka Kikutake Galleryの菊竹寛さん。幼い子のいる家とは思えないほどすっきりと整頓された空間には、多彩な平面作品が美しく飾られている。

写真/一番左が安井仲治のテストプリント。田幡浩一(左から2番目とその右上)、三瓶玲奈(その右下)、小林エリカ(一番右)などはギャラリーで扱う作家。

▼続きは有料会員限定になります▼

定期購読(サブスプリクション)へのご入会はこちら

コメント