定期購読者様限定ページはこちら

「在宅仕事はかどらない人」典型的な朝の過ごし方

CAREER&SKIL(キャリア・スキル)
スポンサーリンク

テレワークによって通勤に伴う煩わしさなどから解放された一方、なぜか自宅での仕事だと仕事がはかどらない、と感じることはありませんか。在宅ワークで効率的に仕事をするには、「在宅ですべきこと」「だめなこと」を知っているといいでしょう。本稿では、精神科医で作家の樺沢紫苑氏の近著『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』より在宅のメリットを生かす時間の使い方を紹介します。

思うように仕事がはかどらない在宅ワーカー

新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに、テレワークを実施する企業が急増しました。東京都の発表によると、都内企業(従業員30人以上)でテレワークを実施した社員の割合は50%前後で推移しています。ここには建設現場や製造現場などでお仕事されるテレワークができない従事者も含まれますので、事務仕事などをされているオフィスワーカーの方はほとんどが経験したのではないかと思われます。

さてそんな昨今、思うように仕事がはかどらない在宅ワーカーが増えています。

「自宅なので集中力が途切れてしまう」
「午後、眠気に襲われる」
「朝から深夜まで、1日中仕事をしないと終わらない」

この記事では、だらだらを解消したい方や、仕事のパフォーマンスをもっと上げたい方に向けて、その方法をお伝えします。1人で仕事に打ち込みやすい在宅ワークのメリットを活かすことで、会社にいるよりも仕事の量・クオリティ共にアップさせることも可能です。

【朝・午前中】ニュース、メール、SNSを見ない

在宅ワーカーにとって、朝を活かすことができるのは幸運です。

なぜなら、すっきりした脳を存分に使えるからです。起きた直後の脳は「片づけられて何も乗っていないまっさらな机」のような状態ですので、広々としたスペースを使って効率よく作業をすすめることができるのです。

ここですべき仕事は、脳のスペックや集中力が必要な仕事。クオリティの高い文章を書いたり、難解な書類を読んだり、論理的な仕事をしたり。起きてからの2〜3時間はゴールデンと呼ばれるほど、1日の中で脳のパフォーマンスが最も高い時間帯です。

もし、テレワークではなく出社する平時であれば、ニュースを見ながら朝食を食べ、通勤電車に揺られ、職場で愚痴や噂話を聞かされ、上司から雑用を頼まれ……。そうこうしているうちに脳のゴールデンタイムを逃してしまいます。

「朝時間」を有効利用するには

しかし、在宅ワークの場合、ここを有効利用することが容易なのです。

寝起きにボーッとしてしまうときは、カーテンを開けて朝日を浴び、熱めの朝シャワーを5分間ほど浴びてください。時間に余裕があれば、15〜30分間の朝散歩もおすすめ。また朝食は、よく噛んで食べるものがいいでしょう。これらには睡眠と覚醒をコントロールする脳内物質・セロトニンを活性化する作用があり、脳を覚醒させてくれます。

そうしてシャキッとした脳で、仕事に挑みましょう。

朝、最初にやってはいけない注意点もお伝えしておきます。それは、ニュースを見たり、メールを確認・返信したり、SNSを開いたりすることです。これは、まっさらな机にたくさんの資料をぶちまけるようなもの。自ら情報の嵐に身を呈し、脳を乱暴に扱うことで、脳のゴールデンタイムを一瞬で終わらせてしまうのです。

朝の仕事ですべきことは、一点集中。情報を遮断して、自分にとって重要であり、脳のスペックが必要な難解な仕事、その一点に集中しましょう。

もし、朝から業務上のやりとりが必要なのであれば、それよりも早く起きて仕事を開始し、脳のゴールデンタイムを無駄にしないようにしてください。

【昼食】パソコンの前で食事をとらない

午前中、しっかりと仕事をこなせたら、昼食時は脳を休ませてあげましょう。

このときの注意点は、パソコンの前で食事を取らないということです。「見る」「読む」から解放するべきです。なぜなら、人間の脳は視覚情報の処理にキャパシティの90%を使うと言われており、本人は休憩しているつもりでも、パソコンの画面を見ている限り、脳はほとんど休まっていないのです。これは、ついスマートフォンを触ってしまうのも同じです。

そこで、視覚にできるだけ頼らず、視覚以外の刺激を与えることを意識してください。音楽で聴覚、美味しい食事で味覚、アロマで嗅覚、ペットと遊ぶことで触覚、日向ぼっこで温覚などが刺激でき、それらは癒しにつながります。そうして脳を休めることができるのです。

在宅ワークであれば、好きな音楽やポッドキャスト番組などを聞きながら、自炊するのも良いでしょう。コーヒーが好きな方は、豆を手動ミルで挽いて淹れるのもおすすめ。聴覚、触覚、味覚など様々が刺激され、身体を動かすことによるリフレッシュにもつながります。

新型コロナウイルスの感染状況や社内規定にもよりますが、外食が可能であれば、外へランチにもでかけましょう。このとき、少し離れたお店へ、早歩きで向かってみてください。歩くことで午前中の集中仕事で低下したセロトニンを活性化することができるからです。

またこのとき、新しいお店や新しいメニューにチャレンジすると、創造性やひらめきに効果がある脳内物質・アセチルコリンも活性化します。アイデア出しをしたり企画を考えたりしたい時は、いつもと違う行動を意識してみるといいですよ。

ランチタイムは、午後の仕事へ向けて脳をリセットできる絶好のタイミングです。午後のパフォーマンスを上げるためにも、「見る」「読む」からの解放を心がけましょう。

眠気に抗ってはいけない

【午後2〜4時】眠気に襲われたときは、仕事を無理に続けない

時間は一定の速度で流れますが、人の集中力は一定ではありません。先にお伝えした脳内物質・セロトニンは、睡眠と覚醒のリズムを司ることから「オーケストラの指揮者」とも言われています。

集中力に欠けたり、睡魔と格闘したりしているときは、セロトニンが低下しているのです。

人間の覚醒度はおよそ90分の周期があります。その谷間にいるときは猛烈な眠気に襲われることがあり、皆さんも体験したことがあるでしょう。このときは無理に抗っても、仕事がはかどらなかったり、ミスをしたり、車の運転中だと事故を起こしたりする可能性が高くなります(交通事故の統計によると、居眠り運転事故は「深夜・未明」と「午後2〜4時」が発生のピークとなっています)。

そんなときは、5分でいいので仮眠をとりましょう。そうすることにより、覚醒度の底辺から次のアップの波(周期)に上手く乗ることができます。つまり、高い集中力が再び手に入るということです。

また、たまらない眠気というほどではないけど仕事がはかどらないときは、ダイニングやリビングなど別デスクや別の部屋へ移ってみてください。場所を移動すると、場所ニューロンが活発化して脳がリフレッシュします。

場所ニューロンは記憶の一時保管庫と呼ばれる海馬に存在し、場所ニューロンが活発化することで海馬全体も活発化し、記憶力が増強するのです。余談ですが、「歩きながら勉強すると記憶しやすい」というのは脳科学的に正しいのです。

それと、セロトニンが低下するこの時間帯は、事務仕事や発送業務など疲れていてもしやすい作業にあてると効率がよくなります。また、オンライン会議をここに挟むのもよい休憩になるでしょう。午前中に会議をすれば時間泥棒になりますが、午後だと気分転換になるはずです。

夕方は朝に次ぐ「好機」

【夕方4時以降】締め切りと終業時間は必ず守る

夕方は、朝のゴールデンタイムに次ぐ好機です。「業務時間が終わってしまう」「あと1時間でこの仕事を終わらせないといけない」など、締め切りを意識するからです。

人は追い込まれると、脳内にノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンは、集中力を高め、脳を研ぎ澄ませる作用があり、最高のパフォーマンスを発揮してくれます。命の危険が迫るピンチに陥ったときも同様です。生きるか死ぬかのときに、悠長に考えている余裕はありませんからね。

追い込まれたときに得られる高い集中力を活かして、仕事をこなしましょう。

ただし、「夕食後や夜中に仕事をすればいいや」という考えは捨ててください。そうすると集中力は高まらず、だらだらと仕事続けないといけない羽目に陥ってしまうからです。

テレワークは、場所と時間にしばられない柔軟な働き方だと評価される一方、長時間労働になりやすいデメリットが問題視されています。雇用主・労働者共にそれぞれの事情があるかと思いますが、「いつでもできる」「あとでやればいい」などと構えていると、効率が悪くなってしまうので要注意です。

そこで、「締め切りと終業時間は必ず守るぞ!」というルールを自分に課すことでパフォーマンスを上げることができ、結果的に良い仕事ができるようになります。

朝から夕方にかけて、きっちりと仕事をこなせたら、夜は自分のために使える時間を持つことができます。家族と夕食を楽しんだり、自分の趣味の時間にしたり、お酒を飲みながらリラックスしたり。

夜は集中力をオフモードにし、1日に緩急をつけましょう。そうすることで、翌日はまた活力ある朝を迎えることができます。

テレワークはこれからも続く働き方

在宅ワークは、仕事とプライベートのメリハリが付けづらいです。しかし、集中力に波があることを知り、その波に上手く乗れるようになると、ワークも、ライフも、共に充実させることができるのです。

集中力を活用する簡単な方法は、「集中力の高い時間に、集中力が必要な仕事をする」ことです。そうすることで、仕事の量・クオリティ共にアップすることができます。

テレワークは、コロナ渦に限定した働き方ではありません。それ以前より、政府はテレワーク普及に力を入れていましたし、積極的に導入する企業も増えていました。今後、ビジネスパーソンにとって「どこでも仕事をこなすことができる」というのは、重要なスキルのひとつになってくるでしょう。

今はまさに時代の転換期です。あなた自身の今後の飛躍のためにも、今日からその能力を高めて行きましょう。

コメント