古本屋はどうして儲かっているのか?BOOK-OFFなどビジネスモデルについて

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お気に入りの本屋が閉店しちゃう

ここ最近では本屋の数は減少気味ですよね

でも古本屋はどうでしょうか?
あまり潰れたというニュースを聞かないです。
むしろあの大手チェーン店「BOOK-OFF」なんかは全国どこでもある気がします。

この違いは何なのでしょうか?
そこで本日は

  • なぜ街の本屋は潰れていくのか?
  • なぜ古本屋は好調なのか?
  • 本屋が勝つためにはどうすれば良いのか?

ビジネス目線で解説して行きます。
少し専門用語も入りますが、わかりやすく解説しています。

ご自身のビジネスまた副業や転職活動にも参考になると思いますよ。
是非最後までご覧頂ければ幸いです。

BOOK-OFFが売れているのはシンプル

なんでBOOK-OFFって全国にあんな展開しているのだろうか?
売れているのかな?

シンプルな考え方を持つと良いよ

街の本屋は次々と閉店しているのをよく目にしている。

日書連(日本書店商業組合連合会)の石井和之事務局長によると。
書店数は全国で8000店くらい、ピーク時の3分の1に減った
毎月全国のどこかの書店が閉店している。

かなり深刻な問題です。

月刊『創』(つくる)2021年12月号の「街の書店が消えてゆく」と言う特集でも記載されています。

ご迷惑をおかけしています!

しかしそんな中、古本屋はどうだろうか?
商店街の個人店や大手チェーン店「BOOK-OFF」なんかは全然強い印象がある。
この新書を取り扱う書店と。
中古品を取り扱う古本屋。
この2つの違いはなんなのか?

ここが面白いテーマになってきますね。
具体的には、次の章で説明をして行きますが。
ここでは、ポイントを2つ解説します。

  • 安く仕入れて高く売る
  • システム化

順を追って解説します。

安く仕入れて高く売る

これはビジネスの大原則でしょう。
てかそれがないと利益が出ないですよね(笑)。

ブックオフに本を持ってくる人は。
「安くても良いから引き取って欲しい」と思っている人が多いです。
ブックオフは、そういう人たちから数十円〜数百円、場合によってはタダで仕入れる。
そして100円程度で販売している。

また人気の書籍などは、定価の1割程度で買取。
5割引で売っている。

ビジネスの大原則「安く仕入れて、高く売る」これを愚直に取り組んでいます。

また本の品揃えも、本屋に引けを取らない量が陳列している。
ですから新刊本など、こだわりのない人からすると魅力的なお店の1つになる。

システム化

これまでの古本屋は、目利きのある店員が1つ1つチェックする必要があった。

しかしブックオフの場合はまさにシンプル。
「折り曲げ・書き込み・発売年数など」をチェックするのみ。
レア本など一切関係ない。

ですからバイトでも査定は可能。
店の人件費の削減も行なっているという事です。

儲かるかどうかは、様々な市場関係者との力関係で決まる。
どんな手を打てばいいのかを「5つの力」と言うフレームワークがあります。

これは経営学者である「マイケル・ポーター」が提唱したものです。
次の章ではこの「5つの力」を軸に儲けの仕組みを見て行きましょう♪

「5つの力」で考える競争優位性

さてここからは、「5つの力」のフレームワークを使って。
古本屋がなぜ儲かるのか?それについて紐解いて行きたいと思います。

「5つの力」は、「買い手」「売り手」「新規参入者」「代替品」「同業者」の5つに分けます。
そして彼らと自分の力関係をチェックし、どちらが強気に立てるかを分析します。
ポイントは、相手にとって自分がどのくらい「オンリーワン」の状態かを見る事です。


画像出典:https://www.nsspirt-cashf2.com/entry/2019/01/20/209/

ではこの5つの力を使ってブックオフの場合を考えて行きましょう。

「BOOK-OFF」の「5つの力」とは?

買い手

「本を安く買いたい人」にとって、ブックオフは安くて品揃え豊富だし、実際に本を手に取りながら買える。
国道沿いにあることが多いので行くのも簡単。

他本屋があれば比較できるが。
買い手はほぼブックオフ一択状態。
つまり言い値で買うしかないため、ブックオフの方が強気に立てる。

売り手

以前までは、「本を売る」って場合。
ブックオフ一択でした。
ですからタダ同然でもブックオフに売りに来ていました。

しかし現代は変化しています。
まずは「メルカリ」などのフリマアプリなどが代表例でしょう。
いらない不用品を誰でも手軽に出品できます。

さらにここ最近では、WEB上で全て完結できる「買取サービス」も多いです。
ダンボールが自宅に届き発送。
あとは指定の銀行口座へ着金という流れだ。

また宅配便の発送前に買取価格がわかる「あんしん買取」サービスもある。

ですから現在のブックオフは格安で本を仕入れる事が難しくなりつつあります。
売り手がより簡単に本を売れるように、出張サービス等も実施していますね。

新規参入業者

これから古本屋をはじめたい業者は、「安さと品揃え」ではブックオフに太刀打ちできない。
ですから、「安さと品揃え」という観点ではブックオフは強気に立てる。

これをマーケティング用語で「参入障壁」と言います。
覚えておきましょう。

代替品

代替品とは、別業界でお客さんのニーズに応える商品やサービスの事です。

ブックオフの場合は、ヤフオク・メルカリ・アマゾン・楽天などなど。
WEBやアプリでの通販・個人間売買などが脅威です。

ブックオフはこうした代替品に奪われる可能性があります。
最近では、ネット通販もやっていますよね。
そこも対策の1つでしょうね。

同業者

他の古本屋にとっては、「安さと品揃え」ではブックオフにはかなわない。
一方で、漫画、歴史、小説などの専門分野に特化した古本屋は強いです。

つまり古本屋業界では、「安さと品揃えではブックオフ」と「専門性に特化した古本屋」との棲み分けが行われています。
巧みに競争を回遊している事が伺えますね。

このように「5つの力」で分析すると、かつてブックオフは市場関係者との競争を巧みに避けることで成長し、儲けて来た事がわかります。
そして競争状態の変化と打つべき対策も見えて来ます。

新書を取り扱う本屋の「5つの力」とは?

それでは一方で新書などを取り扱っている本屋を例に。
「5つの力」を見て行きましょう。

買い手

街の本屋はどこも、本の品揃えは同じですよね。
あまり大差はないように感じます。
さらにアマゾンなどのWEBサービスも脅威です。

つまり本屋は読者に対して強気に立てない。

売り手

新書を取り扱う本屋の場合、限定されている。
「出版取次」と呼ばれる書籍卸売業者で、これは大手2社がほぼ独占しています。
彼らから仕入れられなくなると、本屋は本を調達できない。

つまり本屋からすると出版取次には弱い立場です。

新規参入業者

「本屋をはじめたい人」は、誰でも本屋をはじめられる。
参入障壁はほぼほぼないです。

また新しいタイプの書店が表れると、お客さんを一気に奪われる可能性も高いです。

代替品

本屋の代替品は、電子書籍やアマゾンなどのWEBサービスです。
これらと比べると、本屋は品揃えも使い勝手も負けています。
つまり代替品に対しても弱い立場です。

同業者

どこの本屋も品揃えに大きな違いはなく、似たような店舗が多い。
本屋同士で、激しい競争をしています。

このように街の本屋は、どの市場関係者に対しても弱い立場と言えます。
この対策を取らない限りはどこも潰れていく一方です。

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視点を変えると見えてくる

しかしながら、街の本屋でも賑わっている本屋も存在する。
あなたは代官山にある「蔦屋T-SITE」に行った事がありますか?

画像出典:https://store.tsite.jp/daikanyama/

このお店は、深夜まで営業しており、カフェやバーなどもあります、
料理、旅行、音楽など、分野別に詳しいコンシェルジュが本選びをアドバイスしてくれる。
ゆったりとした極上の空間で本を選ぶという体験を提供しいます。

こうした体験は、ネットでは提供できません。
本屋でしか味わえない。

本屋の役割とは、「文化と出会いを演出する事」と考えることもできます。
そう考えると、代官山蔦屋T-SITEの取り組みは、普通の本屋にも参考になります。

また別の視点で東京六本木にあります「文喫(ぶんきつ)」と言う書店。
ここも面白い取り組みをしています。

まずお店に入るのに、入場料を支払わなくてはいけません。
現在では東京の人気書店の1つです。
詳しくは下記で詳しく解説していますので。
併せてご参照ください。

ビジネスで戦うための3つの方法

できればライバルと戦うことはしたくない。
誰でも「ブルーオーシャン市場」で戦いたいと思っています。

そこで競争戦略で必要な3つの考え方を述べて終わりたいと思います。

  • 業界で最も低コストを目指す「コストリーダーシップ」
  • 顧客の特定のニーズに対してベストと目指す「差別化戦略」
  • 狭い市場で徹底的な差別化を目指す「集中戦略」

この3つの方法がある。
上記の本屋を例に解説して行きます。

コストリーダーシップ

これは言うまでもなく、「BOOK-OFF」でしょう。
本を安く仕入れて安く売るの代表格です。

では残る2つはどうでしょうか?

差別化戦略

例えば、先ほど例に挙げた「蔦屋T-SITE」などはまさに差別化でしょう。
他の本屋にはない、ラグジュアリーさと文化の融合。
また営業時間やバーなどの飲食。

他の書店とは1味2味違うのが明らかです。

また、街の個人でやっている古本屋。
商店街の中にある古本屋。

彼らはなぜ長く続く老舗になっているのか?
またそこまで、焦る雰囲気もなく。
ゆったりとした時間を過ごしている印象です。

実は販路は自分たちの本屋だけではない。

例えば、有名なカフェやバー、レストランなど。
雰囲気をよくするために、インテリアとして本を置いていたりします。
これは、単にインテリアとしてではなく。
実際に気になったら購入することも可能な場合が多いです。
ではこの書籍のチョイスは、誰がやっているのでしょうか?
実は、街の古本屋がやっているケースもあるんです。

お店側からすると、店の雰囲気をよくしたい。
古本屋からすると、目利きの良い店長がお店の要望に併せてチョイス。
WIN-WINの関係性と言えます。
これは単にお店で販売しているだけでは得られない、「売り場」を確保している。

また目利きの善し悪し、センスも関係しているので。
あまり人が真似できる事ではないです。

集中戦略

「まんだらけ」と言うお店をご存知でしょうか?
名前の通り、漫画ばかりを取り扱う漫画専門店です。

漫画ならなんでもあるのではないか?と思う程の品揃えです。
さらに漫画に関連するグッズも多数取り揃えています。


画像出典:https://nakano-broadway.com/

またブックオフとは違い、しっかりとした目利きのある店員が書籍の買取を行う。
お店には、手塚治虫先生が書かれた漫画が12万円で売られていたりする。

まさに漫画に関してはここにいけば事足りる。

「まんだらけ」は漫画の古本という非常に絞り込んだ分野で、徹底的に絞り込んだお客さんに対して、よそでは真似できない尖ったレア本を提供する事で、圧倒的な差別化をしている。

まさに絶対的なオンリーワンの存在です。

まとめ

本日は以下について解説しました

  • 街の本屋が次々と閉店しているという現状
  • ブックオフなど古本屋市場は好調なワケ
  • 「5つの力」について
  • 「5つの力」を使って市場分析
  • 「3つの競争戦略」について

商売を成功させるためには、すべての市場関係者との力関係を見極めて、必要な対策を打ち、自分たちが有利な立場に立てるようにすることが大切です。

この時に、「5つの力」や「3つの戦略」が大いに役立ちます。
競争戦略は、競争を避けるための戦略です。
競争を避けると、お客様に提供する価値を高めることに繋がります。

ぜひ参考にしてみてくださいね♩

最後までご覧頂き誠にありがとうございます。

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