おはようございます。モウリです
あなたは仕事中にサーフィンをすることを、率先してやらせようとする会社をご存知でしょうか?
そんな夢のような体験を実現させるのは、アウトドアブランド「パタゴニア」。
パタゴニアで働く社員は時間に縛られずいつも楽しそうで笑顔です。
また創業当初(今から40年前)より持続可能で地球にかける負担を最小限に抑えようと行動を積極的に取り組んでおります。
近年よく聞く「サスティナブル」の先駆けもパタゴニアと言えます。
今日はそんな、アウトドアブランド「パタゴニア」の秘密に迫って行こうと思います。
- パタゴニアの創業者とはどういった人物なのか?
- なぜ社員をサーフィンに連れて行くのか?
- パタゴニアで働く社員はどんな人たちなのか?
- 持続可能な社会を実現するための経営理念とは?
本記事で紹介する内容は「社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論イヴォン シュイナード (著)」よりお届けいたします。
私たちの知らないパタゴニアの世界を見る事ができますよ。
記事前半ではパタゴニアの全貌を、後半では環境保全への取り組みを解説致します。
ぜひ最後までご覧頂ければと思います。
パタゴニアとはどんな会社なのか?
画像出典:https://www.ern.org/en/
パタゴニアは1973年にアメリカで誕生したアウトドアブランドです。
カラフルなネイティブ柄が有名で、アメリカの先住民からインスパイアを受けてデザイン。
いつの時代にも影響を受けない独自路線を貫いているブランドです。
現在は世界中に店舗展開し、日本でも店舗展開されています。
パタゴニアの始まりは、前身の会社である’’シュイナード・イクイップメント社”から始まっている。
登山やクライミングで使う器具を自ら手作業で作り販売する鍛冶屋をしていました。
ハイキング等のソフトな登山向けではなく、クライミングなどハードな登山向けを展開。
頑丈でカラフルなウエアやバックパックが充実していました。
創業者の『イヴォン・シュイナード』は元々自分たちで使いたい物を作ると言う人物でした。
現在のパタゴニアも自分たちで使いたいと思う製品を作ることを心がけ。
何を作るにも妥協せず、時間をかけて品質にこだわりをもった商品がラインナップされています。
有名なキャンペーンで「Don’t buy this jacket」という広告が話題となりました。
画像出典:
この広告の意図は「大量生産、大量消費は地球の寿命を縮める行為である。
本当に必要かどうか良く考えてほしい。
今必要無ければ買わないでと消費者に訴えた広告が話題を呼びました。
パタゴニアの創業者とはどんな人物?
画像出典:https://www.earth-garden.jp/
パタゴニアの創業者『イヴォン・シュイナード』と言う人物で。
幼い頃の遊び相手といえば自然と触れあうことでした。
大人になってからも、自然を相手にしたスポーツをこよなく愛し、特に危険なスポーツといわれるサーフィンやクライミングなどに夢中になりました。
ビジネスをはじめたきっかけは、自分用にクライミング用具を作り出したこと。
これがクライミング仲間から口コミで広がり、商売を拡大していった事がビジネスとしてのスタートでした。
クライミング用具の製造、販売会社の’’シュイナード・イクイップメント’’です。
画像出典:https://greenz.jp/
企業の経営者でありながら、経営には関わろうとしないで、クライミングやサーフィンに明け暮れる日々を送りたいと思っているような、世間一般に思い描く企業経営者とは一線を画す人物でした。
当時、サーフィンをするために借りていた小屋の数件向こうに住んでいた兄妹を雇い、後に、経営の経験などないその妹にシュイナード・イクイップメントの経営をまかせてしまいます。
画像出典:生涯クライマーのシュイナード氏。ヨセミテのセンチネル・ロックに登る。(1963年撮影)
また一方で、売れ行きが好調だったクライミング用具であっても、用具で岩が損傷していることに気づいた際には、即座に岩を傷つける器具の販売を停止する即決力のある人物。
さらには、岩を傷つける用具を使わなくてもクライミングができることを世に証明してみせる一面もありました。
破天荒な一面があるかと思いきや、自分の経験してきた事を根拠に自分のやるべきことが明確で、経営にも確固たる信念を持っています。
自分の考えを裏付けできるほどよく調べあげる入念さと決断力を持ち合わせた人です。
社員をサーフィンに行かせよう パタゴニアでの働き方
『社員をサーフィンに行かせようという』と言う言葉の本質は大きく2つあります。
一つ目は、「仕事とは楽しくわくわくするものであり、毎日楽しく仕事をするために、仕事時間は縛られることなく柔軟であるべきという考え」があるからです。
パタゴニアでは仕事時間に縛られるべきではないという姿勢をとっているので、良い波がくればサーフィンに行きたいだろうし、子供が熱を出せば家で看病してあげたいと思うのはごく自然な事だと表現されています。
これを実現させるために40年も前から「フレックスタイム」を導入しています。
二つ目は「アウトドアスポーツを本格的に楽しんでいる人たちに向けた製品を開発、販売している会社」だから、サーフィンや登山などを趣味として持っている社員がいると会社としてプラスになります。
何が必要なのか身近で聞くことができる事、開発したサンプルを身に着け、製品耐久テストを実際の現地で試せるのはパタゴニアの強みなのです。
パタゴニアの社員はどんなひと?
画像出典:https://www.patagonia.com
世間一般の常識を次々と覆している会社で働く社員とはどんな人なのでしょうか?
まず、パタゴニアの社内は役員用に特別な部屋は設けず、フラットな間取りを採用しています。
風通しが良くなり仕事をしやすくさせるためです。
社員用に健康的な食事を提供するカフェテリアを設置し、社内に社員の子供の為に託児所も設置しています。
さらには、小さな子供がいる社員へ向けてジョブシェアリングも推進しています。
画像出典:https://johancruyffinstitute.com/en/
当時の常識としては大変珍しい制度でしたが、従業員を家族として考えているパタゴニアならではの制度だといえますね。
社員の採用方法も独特で、一般的な求人広告などは出さず、友達や仲間などプライベートなつながりを通じて採用されます。
もちろん、パタゴニアの製品が好きで、出来るだけ、山や自然に浸っていたいと思う人を採用する事にしています。
オフィスよりベースキャンプや川辺にいる方が落ち着くタイプがパタゴニアの社員には最適なのです。
パタゴニアの経営理念とは?
パタゴニアは『100年先も存続している企業』を目指しています。
世界が資本主義に染まり、地球の資源を使いまくり、競争社会で果てしない経済成長をすすめた結果、自然破壊を進行させてしまったこと、人類が地球環境を危機に晒しているのだとしきりに述べています。
パタゴニアは自然環境に目を背けている大企業への手本となり、地球の資源をこれ以上使い捨てにしないよう、地球環境に与える悪影響を最小限に抑える事を目指し行動を起こすビジネスの形を提示し、サスティナブルな会社となることを断言しています。
パタゴニアでは実際に行動に起こしていることがあります。
まず、衣料品を生産する際、繊維を栽培する農場から紡績工場をチェックし、衣料品に使われる繊維が環境に与える影響も独自に調査をしています。
そして自然に与える悪影響を最小限に抑える手法を積極的に採用しています。
出来上がった製品は使い捨てではなく、出来るだけ品質を長持ちさせ、長く着用してもらう工夫もしています。
修理を推奨し、店舗でも修理を行っています。
着なくなった製品は必ずリサイクルをするよう消費者へ促すこともしています。
また、動植物の生息域を守る活動をしている小さな団体へ売り上げの1%か、税引き前利益の10%を必ず寄付する規定を設けています。
企業は生産過程で生じる環境への悪影響にも、製品そのものにも責任を持つべきという考えを実践し、他の企業へのお手本となる行動をしています。
アウトドアのアパレル販売にとどまらず今では、自然環境を本気で変えるために、2013年パタゴニア・プロビジョンズを設立しました。
画像出典:http://freak.co.jp/
この会社は環境再生型農業への食品革命の為、植物の遺伝学者、魚類の生物学者、農業、漁業にかかわる人々に料理人をチームとして構成し、最高の食品づくりを目的としています。
環境に与える害を最小限に抑えるよう、農業や牧畜を中心に変えていこうという試みで、昔ながらの農法を採用し、健康的な栽培や飼育を目指しています。
パタゴニアの事業内容は徹底して第一に環境の事を考えて行われているのです。
おわりに
画像出典:https://tabicoffret.com/
地球環境保護の声が高くなりつつある現代においても、ここまで徹底した環境保全の仕組みをとっている企業が世界規模でどれほどいるのでしょう。
まさに企業の環境保全への道すじを示しているパイオニアといえるのではないでしょうか。
世界的な企業となった今も変わらずに環境保全を貫いています。
大事なことは、完璧に地球に悪影響のない製品は作れないと思う一方で、そこに近づく努力を続けることだと教えられました。
シンプルに生きることは、心が貧しくなることではなく、むしろ、心を豊かにしてくれることでしょう。
コメント