おはようございます。モウリです
先日越後湯沢にあります「舞子スノーリゾート」へ行きました。
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ここ最近では、スキーシーズンの際は、毎年滑れている印象です。
去年・一昨年はコロナ渦真っ只中と言うのもあり人の数は少なかったものの。
今年は多くの観光客で賑わっていますね。
ようやくスキー場に人が戻ってきたのかな?と思います。
そこで本日はそんなスノーリゾートをテーマに
- スノーリゾートは儲かるのか?
- スノーリゾートの施策について
- スキーにまつわる小話
などなど。
この冬のシーズンならではのビジネス目線のお話をしていこうと思います。
もちろんリゾートビジネスをする人はもちろんの事ですが。
そんな考え方やビジネスがあるんだな?と発見して頂けれる内容です。
是非最後までご覧頂ければと思います。
スノーリゾートのビジネスモデルとは?
例を挙げるために、ここでは「日本スキー場開発株式会社」を例にご説明して行きます。
「日本スキー場開発株式会社」は、スキーリゾートの運営及びスキーリゾートの運営に関する総合コンサルティング会社です。
主に関東甲信越を中心に8つのスキーリゾートを運営しております。
画像出典:日本スキー場開発株式会社
+で2箇所のアライアンスリゾートも運営しておりますね。
事業としては「ウィンターシーズン」と「グリーンシーズン」でそれぞれ異なり。
1年を通じて収益の確保を行なっている。
画像出典:日本スキー場開発株式会社
収益構造は下記の通りだ。
画像出典:日本スキー場開発株式会社
やはり収益の比率としては、ウィンターシーズンを占めており。
主な収益の柱としては、索道を挙げている。
グループ収益は下記にあたる。
画像出典:日本スキー場開発株式会社
各エリアで分散しておりますが。
主に白馬エリアで売上の半分を占めている模様です。
あとは、スパイシーというレンタルビジネスも含まれている。
最後に営業費用を見てみよう。
画像出典:日本スキー場開発株式会社
スキーリゾートのオペレーティング人件費・エネルギーコスト・設備に係る減価償却費が多く含まれている。
特にここ最近の資源価格の高騰が懸念される。
しかしながらIR資料見ても明らかに前年より伸びているし。
ウィンターシーズンにも活気が出て来ているのは明らかですね。
とまぁ色々と説明しましたが。
やはりスノーリゾートは固定費と言うものが多くかかるのがわかる。
スノーリゾート施設では複合的に絡み合っているので。
一概にこれって言えませんが。
今回はざっくりとしたビジネスモデルで考えて見ましょう。
要因としては以下になります。
- リフト券料金
- レンタル料金
- 駐車場利用料金
- 更衣室・ロッカー
- レストラン・飲食
- ショップ・物販
- スクール料金
- 場所によっては宿泊施設や温泉施設
ざっくりこの辺りになるのかな?と思います。
※本当はもっとありますが、今回はあくまで分りやすくざっくりとした解釈で
「日本スキー場開発株式会社」も収益の柱を、「索道」と挙げていた通り。
やはり収益のコアの部分は、リフト券とレンタル料金かな?と思います。
スキー場は運営にあたり、建物やリフト・ゴンドラ、降雪機、圧雪車等、多くの設備を要する、設備産業としての性格を持っています。
初期費用もそうだが。
いざスノーリゾートを運営しようと思うと、めちゃくちゃ大変なのが想像つく。
特にウィンターシーズンにどれだけ売上を伸ばせるか?が勝負になるが。
今回のようなコロナによってロックダウンなど行われるとかなり痛手になるでしょうね。
しかしながら、年間を通じて上手く収支を黒字にできれば。
ウィンターシーズンが仮に伸び悩んでも安心できるでしょうね。
そこで鍵になるのは「グリーンシーズン」
売上の鍵は「グリーンシーズン」
近年、多くのスキー場運営事業者において、サマーシーズンの売上獲得の取り組みが活発化しています。
上述したように、日本スキー場開発㈱のようにテラスやアクティビティを設置してグリーンシーズンのリゾートとして運営するのが一例です。
また近年はキャンプの人気が高まっていることを背景に、スキー場がキャンプ事業に参入するケースが増えています。
スキー場では、比較的平坦な場所をキャンプサイトとして利用することが可能です。
建物内にトイレやシャワー施設を有していることも多いことから、スキー場がキャンプ場に参入する際には比較的定額の投資で始めることが可能です。
ウィンターシーズンはスキー場として、グリーンシーズンはキャンプ場として、営業することで、年間を通して売上を獲得することができます。
ここで面白い事例を1つご紹介いたします。
スキー場なのに「夏のほうが来場者数が多くなる」という実績を上げる施設。
夏の利益をもとに、冬のスキーに訪れるお客さんにも喜んでいただけるような投資も進んでいます。
画像出典:https://toyokeizai.net/
その施設が「白馬岩岳マウンテンリゾート」です。
これは前述でもご紹介した、日本スキー場開発㈱のグループの1つです。
そんな中、来場者数が過去最多を更新し続けている話題のスキー場が長野県白馬にある「白馬岩岳マウンテンリゾート」。
ただそれだけを考え、さまざまなアイデアを実現してきました。
ずば抜けたアイデアを次々と導入し、「夏に稼ぐスキー場」を生み出した和田氏。
「ビジネスの定義」を間違えると有名企業も破綻する
ビジネスの定義を間違った例で有名なのは、デジタルカメラが世の中に出る前、銀塩フィルムの業界で全世界ナンバー1のシェアを誇っていたアメリカのイーストマン・コダック社でしょう。
デジタルカメラを最初に開発したのはイーストマン・コダックとも言われています。しかし同社は、自社のビジネスを「映像を残すための化学フィルムを顧客に提供するビジネス」と定義し、それ以外のビジネスに注力しきれませんでした。そのため、世の中のデジタル化から取り残される形で、結局は2012年に倒産してしまいました。
対照的な会社が、フィルムの世界ではコダックの後塵を拝していた富士フイルムです。同社は自社のビジネスを「顧客が大事な瞬間を映像として残すためのツールを提供するビジネス」「顧客が求める化学製品を提供するビジネス」として再定義しました。
その結果、デジタルカメラや液晶テレビのフィルム、ヘルスケアなどの事業を積極的に展開し、さまざまな分野で世界的なプレゼンスを維持することに成功しています。
その他にも「インスタントカメラ・ビジネス」に固執したポラロイド社(2001年経営破綻)や、ネット通販が急速に拡大する中で「リアル店舗でのおもちゃ小売りビジネス」から脱却しきれなかったアメリカのトイザらス(2017年経営破綻)などの例があります。
ビジネスを正しく定義できるか、環境の変化に応じて正しく再定義することができるかは、その企業の生死を分ける重要なポイントだと言えるでしょう。
では、私たち「スキー場」がやっているビジネスは、どう定義すればいいでしょうか。
こんな質問を白馬で長年スキー場に携わってきた人たちに聞くと、ほぼ全員が、きょとんとした顔をした顔で、こう答えます。
「スキー場ですよ。スキー場ビジネスをやっているに決まっているじゃないですか」
じゃあ、競合は誰?
みんなの答えは「白馬五竜」「志賀高原」「野沢温泉」……国内、しかも同じ長野県内のスキー場の名前しか出てきません。
でも、本当にそうなのでしょうか?
これまでの20年間で市場が3分の1になり、これから人口減少に伴ってさらに市場が小さくなることが見えている国内スキー場ビジネス。これまでと同じ土俵で、同じような相手と組み合っていても、気づいたら誰もその相撲を見てくれなくなるのではないか。
私たちが持っている資産はスキー場としてのリフトやゲレンデだけではなく、ほかにもっと活用できるものがあるのではないか。
自分たちが「スキー場ビジネスをやっている」という定義から脱却し、改めて自分たちがお客さんに提供できる価値とその競合相手を再定義することができないと、銀塩フィルム業界同様に業界全体が「絶滅」しかねません。
「世界水準」「オールシーズン」「リゾート」を目指す
こうした危機意識に対し、私たちが出した結論が、「私たちはレジャー産業だ」です。具体的な言葉で言うと、次のようになります。
「半日程度以上の時間を国内外のお客さんに使ってもらい、目に見える製品や商品をお渡しすることなく、満足感や爽快感を覚えてリフレッシュした状態で元の生活に戻ってもらうビジネス」
そう考えれば、競合は県内スキー場だけではありません。同じスキー場でもニセコや蔵王など、北海道や東北にあるスキー場も明確に含まれます。さらには北アメリカやヨーロッパのスキー場も明確な競合としてとらえなければいけません。
そしてもちろん、スキー場だけではなく、遊園地やキャンプ場、ゴルフ場、映画館、動物園や水族館といった施設も競合です。京都、沖縄などの観光地もライバルととらえる必要があるでしょう。
有形な施設を持つものだけではなく、ゲームやスマホ、インターネットなどですら、考えようによってはお客さんの時間と財布を取り合う競合だということになります。
こうした再定義に基づき、私たちが目指すべきゴールを「世界水準のオールシーズン・マウンテンリゾート」と定めました。これには以下の3つの意味があります。
① 世界水準
国内市場の縮小が不可避である以上、世界中から山岳リゾートで時間を過ごしたいと思う人に来ていただくようになることが不可欠。そのためには、すでに世界水準と呼べる眺めや雪などの自然由来のものだけではなく、施設やサービスといった、ともするとここ数十年間置き去りにされつつあった要素についてもしっかりと世界水準なものになっていかないといけない。② オールシーズン
冬に頼ったスキー場ビジネスからの脱却、という意味でいちばん大事なのは、1年を通じてお客さんに来てもらえるコンテンツをしっかり持つこと。この要素がないと、地域全体が豊かに、元気になることは無理なので、ある意味最も優先順位が高い。③ リゾート
私たちが目指すのは単に「スポーツをする場」としての「スキー場」ではなく、非日常的な時間を非日常的でおしゃれな空間でゆったりと過ごしてもらうための場所。海で泳ぐための場としての「海水浴場」とビーチサイドでゆったりと時間を過ごす「ビーチリゾート」が、仮に海沿いの場所としては大きく変わらなかったとしても想起される姿がまったく違うように、スキー場とスノーリゾート、もしくは通年化という意味でのマウンテンリゾートとは、お客さんに過ごしてもらう時間・空間の質は変わってこないといけない。
「夏に稼ぐスキー場」誕生
ご紹介したグリーンシーズンの魅力増強に向けた各種取り組みは、まさにこのビジネスの再定義と目指すべきゴールに従って出てきたプロジェクトです。
このように明確な(ある程度正確な)ビジネスの定義とゴールに従って再出発したからこそ、私たちが活用すべき「隠れた資産」の洗い出しも進み、しっかりとした結果を残せたのだと考えています。
例えば、THE CITY BAKERY 白馬店を併設した北アルプスの絶景を眺める展望施設「白馬マウンテンハーバー」。
画像出典:https://toyokeizai.net/
これは、スキー場として冬だけビジネスをやっていては呼べないお客さんを呼ぶために、これまで有効活用されていたとは言えなかった「山頂からの絶景」という隠れた資産に光を当て、マウンテンリゾートの目玉施設となるような取り組みとして建設を進めたものです。
開業した2018年10月からの1カ月間で、それまでのグリーンシーズントータルの来場者数を超える3万人を集客する結果につながりました。これはまさに「スキー場ビジネス」の発想からでは決して出てこなかったアイデアだと実感しています。
苦しい産業にいる人たちは、私たちのように「ビジネスの定義」をもう一度見直すことで、生き残りを図ることができるかもしれません。
画像出典:https://toyokeizai.net/
実はおいしい「レンタルビジネス」
画像出典:https://www.bus-ichiba.jp/navi/
スキー&スノーボードレンタルビジネスの仕組みはこうです。
・ギアは安いもので揃えれば一式3〜5万円
・ブランドギアでもせいぜい一式7万円
・ブーツ2万円、ウェア上下セット1万円、小物数千円
これが元手。
・レンタル価格設定は1日3~4000円くらい
・半日レンタルやセット割りなど設定しておく
・破損紛失の保険料として500〜1000円上乗せする
・これでシーズン中、毎日のように貸し出しを回す
マネタイズはこんな感じ。そしてランニングコストはというと、
・店舗家賃(これはふつうにかかる)
・ギアのメンテ費はシーズン前のワックスなど
・初心者相手なので高度なメンテは不要
・ウェア等々は洗濯や乾燥室に放置しておくだけ
・人件費はリゾートバイトや住み込み手伝いを使えば安く済む
・宣伝費・マーケティング費はかけなくても立地的に勝手に来る
上記のような形です。
初期投資とスペースの確保がちょっとたいへんだけど、固定費はそんなにかからない。
原価分なんて10人くらいに貸せばすぐに元は取れて、板は数年もつのであとはずっと黒字です。(すごいざっくりですがお許しください)
お客さんにとってはスキー&スノーボードをすること自体が「非日常」なので、多少高く感じても「そういうもの」と思って文句を言われることはありません。
さらに、ちょっと危険性が伴うスポーツでもあります。身の安全のためと思えば人はいくらだって払います。
さらに、上手くやれてるレンタルショップはツアー会社と繋がっていて、修学旅行などの団体客の受け入れもしていたり。
毎年最低限の売上は確保されているので、よほどのことがなければ食いっぱぐれない仕組みです。
バブル期なんかは超絶おいしいビジネスで、その余韻に浸りつつも今日までうまくやってこれたのがスキー&スノーボードレンタルだと思います。
また「雪マジ!19」を仕掛けた加藤氏によると。
「スキー場にとっては“レンタル”は利益率が高い商品なんです。例えばメーカーから1~2万円で仕入れ、それを3000~4000円で貸し出す。3回貸すと減価償却が終わり、あとは利益率が高い状態になります。実際に、これをやると儲かるねというスキー場もあります」。
リクルートライフスタイル じゃらんリサーチセンターの主席研究員である加藤史子氏
訪問客を爆上げした「雪マジ!19」の仕組みとは?
画像出典:https://www.rbbtoday.com/
原田知世と三上博史が出演する映画「私をスキーに連れてって」が公開されたのは1987年。バブル期に放映されたこの映画は空前のヒットとなり、スキーブームを生み出した。ゲレンデ、松任谷由実、派手なウェア、恋愛……スキーに出かけるなら観る映画、とまで言われた。
ところがバブル崩壊に伴い、スノーアクティビティ人口は減少傾向に。
100程度のスキー場をかかえる長野県も地域的な打撃をうける。スキー場のまわりにはホテルだけでなくペンションや民宿など簡易宿泊施設に分類される宿が多数あり、長野県はこれら宿泊施設の数が日本で最も多い。
しかし、その一方で簡易宿泊施設の倒産件数1位の県にもなってしまった。
スキー場の商売は季節商売なので、春から秋にかけて農業に従事していた人が冬はスキー場で働くなど、年間を通して出稼ぎにでずに済む状態ではあったが、閉鎖するスキー場が増えると、冬季は都市部に出稼ぎにいかねばならず、1年を通して家族が一緒に暮らせないなど、地域の雇用維持という別の問題も生まれてきた。
リクルートライフスタイル じゃらんリサーチセンターの主席研究員である加藤史子氏のところに、長野県から相談があったのは数年前のことだ。
なんとかスキー場にお客さんを呼び戻し、地域を活性化したいと県の担当者は考えていた。
19歳を無料にする意味
画像出典:https://blanche-ski.com/
これに対して加藤氏が打ち出したのが、19歳の人であれば誰でもシーズン中リフト券が無料になるという施策。「雪マジ!19」と名付けられるプロジェクトだ。
利用者は公式サイトで登録を行えば、会員証メールが送られてくる。
スキー場では、このメールと写真付き身分証明書を提示すればリフト代がタダになる。
なお、4季目となる2014年冬からは会員証機能をアプリに移行した。
何故、19歳なのか?加藤氏はまず、インターネット調査によって人々がどのタイミングでスキー場のアクティビティに参加するか、エントリーポイントと言われるものを探ることからはじめた。
当然、長野県もすでに様々な手を打っていた。
修学旅行を増やす、子供に無料でリフト券を配布するなどの対策は行っていたが、加藤氏が調査するうちに「ほかにも鍵となるタイミングがあるのではないか」と気づいていく。
つまり小学校の時に家族旅行、修学旅行、研修、スキースクールなどでスキー場に行くことはあるが、そこはその人のスキー場来訪率を高めることには寄与していないことがわかったのだ。
思春期に仲間同士でスノーボードをはじめたかどうかというのが、その後の人生におけるスキー場のリピートに寄与していることがわかった。
ここがトリッキーだったという。
大きく寄与するのは高校卒業後から社会人になるまでだった。
とすると、19歳を頂点とした世代にどういう仕掛けを打っていくかということになる。
「19歳というのは、多くの人が高校を卒業した直後の年。レジャーに出かけるのも家族旅行から同年代の仲間に代わり、お金の負担も自分にのしかかってバイト代から捻出しなければいけない時期」「スキーをそこそこ滑れる子でも、スキー場でスノーボードを経験すると最初はうまく滑れず、つらい思いをする」「この誘われないと行かない、お金がないと行かない、しかも1回行って痛い思いをするとやめてしまうという、この状況を超えて潜在需要を掘り起こすには、相当インパクトが強いものではないとダメだなと思いました」。
この世代は皆スマートフォンを持っており、SNSを活用するので横のつながりも強い。
加藤氏は、「彼らの会話のなかで2秒で説明できるものでなくてはいけなかった」と強調する。
「俺ら、いくらスキー場に行っても今年無料らしいよ、みたいな。ここに19日は無料とか、夕方は無料とか条件をつけると、とたんに伝わらなくなってしまう。なので細かな条件を排除し、スキー場で何万回滑っても無料としました」。
19歳で多くの人が脱落して、一生ゲレンデとは縁がなくなるという人が増えている。
このタイミングで無料で何度も来ることができれば、比較的時間に余裕があるため上手くなって楽しくなっていく。
そしてハマった時には有料でもスキー場に行くようになって、いずれファミリーになったら再来訪してもらえる。
実は日本人のなかでスキー場に来ているのは、子供が幼稚園から中学生以下のファミリー層だという。
この層はスキー場来訪率が20%もあり、他の世代と比較してももっとも多い層。
この世代は現在40~50歳の団塊ジュニア世代でバブル期に20~25歳だった人たち。「私をスキーに連れてって」に影響されてスキー場へ出かけていた世代でもある。
また、ファミリー層で復活している人は7割が中上級者だ。若い時にさんざん滑り、ある程度の技術レベルに上達することがいかに大事かがわかる。
リスクはぼんやりしていることが多い
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加藤氏のプロジェクトに長野県の担当者は「いいね」と前向きの姿勢を示した。
しかし、索道協会が反対した。
索道協会は各地域にあり、スキー場、リフト、ロープウェイの事業社が加盟している協会だが、「我々の利益の源泉をなぜ無料にしなければいけないのか?」「そんなリスクを負えるか」といった反応が起き、大反対の声があがった。
この時から、プロジェクトは県の依頼案件ではなく、リクルートの自主企画に変更になった。
加藤氏が、クライアントがなくなってもプロジェクトを推進したのには理由がある。
旅行・観光業界に関わるうちに、日々、旅行というレジャーが不利な状況になっているなと感じていたという。
「統計上、1回の宿泊旅行には5万円くらいかかる。しかし、実際に行くまで楽しいかどうかわからないものに5万円を支払う意志決定をしなくてはいけないのが旅行という商品」「たとえばソーシャルゲームは若者を集めて利益を生んでいるが、フリーミアムというビジネスモデルです。それは大量のユーザーを囲い込んで、楽しさが分かった人だけ課金してくれればいいというもので、これを見た時に、旅行はますますかなわなくなるなと思いました」。
だから加藤氏は、まず体験させて楽しさがわかったらアップセルしていく、有料化していくというやり方をほかの業界から学ばないと、活性化できないと思った。
スキー場のフリーミアムモデルというのは、おそらくいけるだろうと思ったという。
索道協会以外、つまり宿泊施設、お土産店、その周辺産業では反対する人は、あまりいない。
なぜならリスクがないからだ。
では、20年間売り上げが落ち続け、施設も人手も維持するのが精いっぱいなのに無料にしてしまったらどうなるのか?と憤慨する相手にどう説得していったのか?
加藤氏は「これは、どの問題に対しても言えるなと思うんですけど、リスクってぼんやりしてることが多いんですよ」と話す。たとえば、スキー場に1年間やってくる人は何人ですか?と聞くと答えられる人は多いが、19歳はそのうち何パーセントかについてはわからないところが多い。星野リゾートなどデータがある施設に聞くと、1~3%という数字がでてきた。スキー場のビジネスは、天候やカレンダーによって大きく左右される。たとえば、大抵のスキー場はクリスマス付近の3連休から開業する。ただここで開業できれば結構ラッキーで、初雪が遅いと年末年始に無理やり開けることになる。クリスマスに開業できないと5%も売上にひびくと話すところもある。2月の建国記念日が連休になるかどうかも大きな変動要素だ。この数値に対して加藤氏は「お天気とカレンダーで10%程度の変動要素があるのですね。それに対して、業界が意志をもって未来需要を作れるかも知れない19歳という1%のリスクって、とれないんでしょうか?19歳が親を連れてきたらどうですか?大学1年生と2年生のサークルが誘客できたらどうですか?あとはスキー場に来た人が、いっさい飲み食いもせず、レンタルもしませんか?などいろいろ分析していくと、リスクは限りなく低いと感じてもらえる場合が多いのです」と話す。
このように説得していき、1年目は89ヵ所が参加。
2年目はプリンスホテルなど業界大手も参加し136ヵ所、3年目は志賀高原の19ゲレンデを含め172ヵ所と増えていった。
もちろん、現在も、反対するケースや事業構造的に参加できないケースも多い。
最初に参加を表明したのは、プリンスホテル、東急リゾートなど従来の大手事業者ではなく、ホスピタリティパートナーズ、マックアース、クロスプロジェクトなどスノーリゾート再生を手掛ける新勢力だったという。
なかには、まだ参加に二の足を踏む施設もあるが、徐々に受け入れるスキー場は増えている。
19歳の若者は全国で約120万人。
雪マジ!19に登録した人は2013年で約15万人。
19歳の9人に1人は登録している。
登録の傾向は雪山に近いエリアほど高くなる。
長野県では約15,000人の19歳のうち5000人以上は登録している。
「登録したら9割はスキー場に行くので、結果としては新規動員につながっている」と加藤氏は話す。スキー場でのレンタルについては、19歳は、はじめてスノボ・スキーをする人も多いため、6割はレンタルをするという。「スキー場にとっては“レンタル”は利益率が高い商品なんです。例えばメーカーから1~2万円で仕入れ、それを3000~4000円で貸し出す。3回貸すと減価償却が終わり、あとは利益率が高い状態になります。実際に、これをやると儲かるねというスキー場もあります」。
なお登録した19歳が翌年もリピートしたかどうかについても追跡調査の結果がでている。
700名に調査した結果、9割が翌年もスキー場へ出かけていることがわかった。
これらの人はスノーボード板を購入するようになり、スキー場にとってのレンタル収入は消えていくが、かわりに20歳以降はリフト収入は得られることになる。
「雪マジ!19」はユニークな取り組みゆえ、連携企画も多く誕生した。リゾートアルバイト求人サイトとの企画、スノーボードブランドとのバスツアー、フォトコンテスト、ゲレンデの食事開発などである。
フリーミアムというモデルは、もともとはネット業界でよく使われ、旅行業界にはなじみがなかったが、新しいビジネスモデルが徐々に動き始めているところだ。
来季は今年2月にリリースしたスマホアプリを本格展開。これにより、利用者の情報も一括管理でき、行動を詳細に把握することが可能になり、さらに緻密なマーケット戦略が可能になっていくだろう。
無料の範囲をどう決めるかが、とても大切
無料で提供する場合は、慎重に考えて、無料で提供する範囲を絞ったり、無料で提供する期間を決めたり、商品に機能制限を設けることが必要だ。
「雪マジ!19」は19歳のみリフト券を無料にした。
全員でないのが重要なポイント。
スキー場復活の方法を考え抜き、「大学生がスキーを体験することが大切」という結論に至ったので、19歳にターゲットを絞り、無料にした。
リフト券の売上はスキー場にとって大きな収益源。
もし全世代を無料にすると、大赤字だ。
そして何よりも、19歳の人たちへの「これは私たちへのメッセージだ」という特別感が消えてしまう。
来てもらいたいターゲットを明確にして、その人たちを無料にしたからこそ、成功したのである。
ちなみに「雪マジ!20」というのもあり、20歳はリフト券が最大半額になる。
19歳の時に無料でスキーの楽しさを知った人に、翌年も来てもらい、定着してもらうためだ。
婚活パーティで女性を無料にするのも、医者限定の結婚相談所で男性医師の入会費を無料にするのも、無料のターゲットを明確に決めた結果だ。
クックパッドも、無料で全レシピを見ることができるが、人気レシピを探すのは有料だ。
食べログも、無料で店を見ることができるが、幹事用の人気店検索やクーポンは有料だ。
無料の範囲を戦略的に決めることが必要なのである。
冬季限定 唯一の新幹線“臨時駅”ガーラ湯沢駅はなぜできたのか?
画像出典:https://tour.vipliner.biz/
「ガーラ湯沢」にまつわる豆知識を紹介します。
唐突ですが、、、新幹線と在来線は軌道が違うので、直通運転ができません。
そのために、在来線とは別に駅を作るというケースが多々見られます。
たとえば、新大阪駅では、新幹線の開業時には在来線の駅がありませんでしたが、後からわざわざそこに、在来線の新駅が設置されました。
しかし、中には在来線が通らない新幹線専用の駅もあります。
たとえば、東海道新幹線の岐阜羽島。山陽新幹線の新神戸。東北新幹線の水沢江刺、白石蔵王。上越新幹線の上毛高原、長野新幹線の安中榛名。
このあたりは、どれも新幹線専用の駅となっています。
上のような新幹線の専用駅は、あくまで、駅と駅との中間地点にあります。
本来なら、並列する在来線のすぐ近くに駅を作りたかったものですが、それぞれの距離が遠すぎるために、ぽつんと独立したようなかたちで設置されたわけです。
上越新幹線のガーラ湯沢駅も、そんな新幹線専用駅の1つです。
ところが、実はこの駅には、他の新幹線専用駅とは違った特徴があります。
それは、冬季のスキーシーズン中にしか新幹線が停まらないこと。
全国の新幹線の中でも唯一の“臨時駅”なのです。
隣の越後湯沢駅との間は、実に、わずか1.8キロしかありません。
しかも「冬季限定」というのだから、何もそんな駅を作る必要もなさそうなものですが、JR東日本としては、そうせざるをえない事情がありました。
ビジネス上の意味で、ガーラ湯沢駅が必要とされたのです。
というのも、この駅で降りる人のほとんどは、ガーラ湯沢スキー場の利用客。
そして、このガーラスキー場を作ったのは、他でもないJR東日本です。
すなわち、JR東日本としては、自社のスキー場に利用客を呼び込むために、どうしても新幹線専用駅を作らなければならなかったのです。
もともと、ガーラスキー場は、ちょっとした思いつきからできたと言われています。
国鉄が民営化され、JRとなるときに、基地のある保守要員が、突如、「ここにスキー場を作ったら儲かるんじゃないか?」とひらめいたのだとか。
そのアイデアがすーっと上まで通って、ただちにスキー場の建設が始まりまったという逸話が残っています。
さすがにスキー専用駅だけあって、ガーラ湯沢駅は、まさしくゲレンデへの玄関口そのものとなっています。
駅を降りると、すぐ前にゴンドラがあり、スキー場へと直行できるのです。
そんな単純明快なスキー場だけあって、毎冬、連日の賑わいを見せています。
ただし厳密には、ガーラ湯沢駅は運行速度などが新幹線の要件には合わないので、扱い上は在来線・上越支線の駅となっています。
出典元:https://www.travel-inn.co.jp/ski/より
まとめ
本日は以下について開設いたしました。
- スノーリゾートのビジネスモデルとは?→設備産業の1つで、コストは相当かかるがやり方次第では儲かる
- 売上の鍵は「グリーンシーズン」→白馬岩岳マウンテンリゾートは冬より夏のシーズンの方が来場客数が伸びた面白い例
- 実はおいしい「レンタルビジネス」→減価償却も早く終わり、利益率が高い
- 訪問客を爆上げした「雪マジ!19」の仕組みとは?→スキーは大学時代に始めないと一生の趣味にならない。
- 冬季限定 唯一の新幹線“臨時駅”ガーラ湯沢駅はなぜできたのか?→JR東日本の施策
本日は上記について解説しました。
スノーリゾートって奥が深いビジネスだなと改めて再認識したのと同時に。
難しいビジネスなのは確かと言うことです。
しかしながらやりがいのあるビジネスですし。
グリーン、ウィンターと1年を通じて楽しめる。
そんな日本の季節・気候をふんだんに生かしたビジネスだと思います。
ココ最近ではインバウンドも戻って来ており。
外国人観光客も多く見受けられました。
また観光業界全体が活性化されると嬉しいです。
画像出典:https://www.orion-ski.jp/
オススメのスキー・スノーボードパックツアー載せておきますね♩
スキーに1度行ってみようかな?と思う方は参考にして見てください。
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本日も最後までお読みいただき誠にありがとうございます。
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