ファッションの売れ残り商品ってどうなるの?

COLUMN(コラム)
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おはようございます。モウリ です。

あなたはファッションの売れ残り商品はどうなっていると思いますか?
ここ最近では、アパレル業界は大量に廃棄して環境問題の原因になっている。と問題視されていました。
でも実際には、そうではありません。

アパレル業界もしっかりとビジネスをしています。
売れ残ったらすぐに廃棄していては、損失は大きいですよね?

そこで本日は。

  • 売れ残ったファッションはどうしているの?
  • 企業は廃棄を無くすためにどのような取り組みをしているの?

など疑問を解決していこうと思います。

売れ残ったアイテムはどのような経緯を辿って廃棄に行くのでしょうか?
今日はそんなファッション業界の裏側を知ることができるかもしれませんよ。

売れ残り商品の行方

ここでは売れ残った商品はどのような手順で廃棄まで行くのか?
またファッション業界の全体像も踏まえて解説していきます。

ファッション市場は年々右肩下がり

まず供給量に関してです。
日本繊維輸入組合の調査報告によると、2020年のアパレル製品(外衣、下着、補正着、寝着、乳児用の合計)の国内供給量は35億7280万点で、前年比10.3%の減少でした。

実は、2018年をピークに供給量は年々減っているんです。

一方で、株式会社矢野経済研究所の調査結果によると

市場概況については、紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品を合計した、2020年の国内アパレル総小売市場規模は7兆5,158億円、前年比81.9%と大幅な減少となりました。

販売チャネル別でみると、百貨店の下げ率が最も深刻で、量販店、専門店も苦戦を強いられており、ファッション通販サイトやECモールなどその他(通販等)だけが伸びている構図となっています。

コロナ禍による景況悪化の影響による国内市場の消費マインドの冷え込みも影響しているとしている。

総務省の家計調査では消費支出総体が前年から5.3%減少し、「食料」支出が1.6%、「保険医療」支出が2.0%伸びる中、「被服・履物」支出は18.4%、「アパレル」(洋服・シャツ・セーター)支出は20.2%も落ち込んだ。経済産業省の商業動態統計でも小売業売り上げ全体(自動車・機械・燃料小売業を除く)が0.8%、スーパーの飲食料品が6.7%伸びる中、「織物・衣服・身の回り品」小売業売り上げは21.4%、百貨店+スーパーの衣料品売り上げも26.4%も減少しているから、アパレル消費は8掛け弱に落ち込んだと推計される。

また環境省の調査によると、衣服一枚あたりの価格は年々安くなり、市場規模は下がっています。
ファストファッションの影響などによって一枚当たりの価格は下がり続け、1990年と比べると約2分の1になっています。

年々ファッション市場が縮小しているのは、数字からでも目に見えてきている。

廃棄に出すのは最終手段

ここ最近では、「サスティナブル」と言う言葉をよく耳にします。

衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステナブル(持続可能)なファッションのあり方を目指そう!という取組みや考え方を「サステナブルファッション」といいます。
環境省より

以前は洋服大量廃棄が環境問題に重大な影響を及ぼしていると騒がれていました。
それを踏まえて、各企業はサスティナブル(持続可能)な取り組みを行なっております。

特に米国や欧州のZ世代は、サステナブルな取り組みをしている企業でないと洋服を買わない。
と言う「エシカル消費」に消費も変化しつつある。

「エシカル消費」については下記でも解説しております。
併せてご参照して頂ければと思います。

シーズン中に値引きして売り切るトレンド商品では持ち越すのは数%ですが。
紳士服業界などシーズン中にはセールを繰り返しても7割弱しか消化できず、来シーズンに持ち越して新作と合わせて販売する業界慣習が定着しています。

ベーシックな商品では珍しいことではなく、大躍進しているワークマンも「定番品は10年継続」を謳ってEDLP(常時低価格販売)に徹し、売れ残り品は来シーズンに持ち越すから、値引きロスは年間売上の1.2%に過ぎません。

そうは言っても、何年も持ち越すと物的に損耗してしまうし、価値が落ちる一方で倉庫代が嵩んでいくから、資金繰りが苦しくなると処分せざるを得なります。
ベーシックな商品でもアパレルは3年でフィットが変わるから持ち越すのは3年が限界で、ファッション性が強い商品は持ち越しても売れる見込みが薄いから早々に叩き売るしかない。

アパレル業界が儲かっていた往時には、ブランドイメージの毀損を恐れて焼却処分することも多かったですが、いまや資金繰りにも窮するアパレル業界にはそんな余裕はなく、少しでも資金を回収すべく二次流通業者(バッタ屋さん)に放出する

その買取相場はシーズン初期なら生産原価の半分ほどだが、セール時期になるとその半分、持ち越すとさらに半分になる。
今回のコロナ休業では二次流通業界の買い取り資金が追いつかないほど大量に放出されたから、相場はさらに切り下がったと聞いています。

二次流通業者が引き取った在庫は、ブランド側の希望でタグや値札を切り取ったり(付け替える場合もあるが作業賃が高くつく)、あるいは来シーズンまで寝かせてから、販路を海外やローカルに限定して再販される

国内ではディスカウントストアやホームセンターなどが主な再販先だが、最近はブランド再販専門のオフプライスストアも台頭し、地方百貨店などが催事用に仕入れるケースも増えている。
どれだけ値引きされても、これらは未使用の「旧新品」であり、仕入れや販売に古物商免許を要する「中古品」とは異なる。

それでも行き場がなくなった「旧新品」や傷んで転売が難しくなった「中古品」は中古衣料として主にマレーシアなどのアジアに輸出され、多くはウエス(手入れ用の雑巾)になったり繊維原料として分別再生されます。
その価格は19年で1kgわずか39.8円だった。

近年のアパレル業界は過剰供給で収益力が落ちているから、廃棄処分を選択できるアパレルは極めて限られています。
「売れ残りイコール廃棄」というイメージはアパレル業界が儲かっていた往時の残像

環境省の調査によると我が国では毎年100万トンの衣類(下着や靴下も含む)が廃棄される一方、19年の輸出統計では26万トンの中古衣料(仕分けられて中古衣料として販売できないものはウエスや繊維原料になる)がマレーシアなどアジア諸国に輸出されたが、そのほとんどは消費者のタンス在庫から出たもので、「新古品」のアパレル製品は最大でも2万トン(6600万点)止まりだと推計される。

売れ残り品といってもアパレル業者にとっては「現金」と変わらない資産であり、出来るだけ高く換金したいのは当然だ。
持ち越して販売したり二次流通業者に放出したりしてとことん換金した挙句、どうにも行き場がなくなった商品が廃棄されるのだと認識してほしい。

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フランスで衣類の売れ残り廃棄禁止法がスタート

そんな中2022年1月より、フランスでは廃棄禁止法が可決された。

売れ残った衣料品は寄付やリサイクルが義務づけられ、違反した場合は最大15,000ユーロ(約190万円)の罰金が科される。

これまで、生産者が製品の廃棄やリサイクルまで責任を負う「拡大生産者責任(EPR)」の考え方にもとづき、EUでは包装廃棄物に関するEPR法が存在した。だが繊維廃棄物に対するリサイクル義務を導入したのは欧州ではフランスが初めて。

今回の法律は2020年2月に発表された循環型経済のための廃棄物対策法の一環だ。
この法律は、廃棄物を最小限に抑え、資源をできる限り再利用する循環型経済へ転換させることを目的としている。

この循環型経済のための廃棄物対策法では、今回紹介した衣料品廃棄の禁止以外に、廃棄物対策のための新しい規則が盛り込まれている。

例えば、商品の情報を消費者に正しく伝えるために、製品パッケージに「生分解可能」や 「環境に配慮しています」などの言葉を使うことができなくなる。
他にも、2023年にはファストフード店にて、店内飲食で使い捨ての皿やカップを使用できなくなる。

続く欧州でも施行される

フランスの他に、スウェーデンも衣料品の拡大生産者責任(EPR)法の導入が決定しており、2024年1月から施行される。
また、オランダでも2023年から繊維廃棄物に対する拡大生産者責任(EPR)法が導入される予定。
ブルガリア、イギリス、スペイン・カタルーニャ州も、同様の法案作成に取り組んでいる。

つまり、今後数年で複数の国で衣料品廃棄が難しくなっていく。
そのため、ヨーロッパのブランドを中心に、アパレル業界では必要な量だけ生産するなど、変化が現れてくることだろう。
そして、そう遠くない未来にそのような動きが世界に波及していくかもしれない。

それぞれの企業の取り組み

ここでは実際にサスティナブルに対する取り組みをする企業をいくつかご紹介します。
あまり聞いた事ない企業も多くあると思いますが。

どれもこれからの地球環境を思い、形にしたスタートアップ企業が多いです。
素晴らしい取り組みですから、一度訪問していてください♩

Reneme(リネーム)

アパレル加工工場でブランドタグや洗濯表示タグの付け替え加工を行い、ブランド名表示を変更して再販する仕組み。元のブランド名を表示せず、ブランド毀損を防いだ再販を実現する。運営は服の買取・販売を行う株式会社FINE。

Colors(カラーズ)

作りすぎた在庫品となったブランド品などをメーカー&工場から直接依頼を受け、仕入れた商品を販売しているアパレル店。東京や大阪を中心に10店舗を展開。

coxco(ココ)


画像出典:https://coxco-official.com/

日本国内の倉庫に眠っている、品質の良い生地を使用し、商品を制作するという斬新なアイディアで始動したブランドです。
『服のかたちをした、社会課題と向き合うメディア』をテーマに、服を通じて社会課題を解決していくことをコンセプトにしています。
廃棄されるはずだった生地が、シックでモードなファッションに様変わりしており、ECサイトでも売り切れが相次いでいる注目ブランド。

ECOALF(エコアルフ)


画像出典:https://www.sanyo-stylemagazine.jp/

廃棄されるはずの素材を、リサイクルすることで新たな価値をつくるブランド、エコアルフ。

再生素材はもちろん、他にも環境負荷の低い天然素材にこだわって使用しているサスティナブルなファッションブランドです。
『地球を守るために服を売る』をテーマに、ペットボトル、漁網、タイヤなど、海底に眠っている素材に新たな命を宿します。

特に、UPCYCLING THE OCEANSというラインでは、海とのつながりを感じることができるラインナップが勢揃いしていますので、ぜひチェックしてみてください。

Stella McCartney(ステラマッカートニー)


画像出典:https://www.elle.com/

最後にスタートアップではありませんが。
イギリス生まれの高級ブランド、ステラマッカートニー。

ステラマッカートニーは、数多くあるラグジュアリーブランドのなかでも、エシカルでサスティナブルなファッションの重要性を、いちはやく取り入れたブランドです。
創業者のステラマッカートニーがヴィーガンであることもあり、動物由来の毛皮や革素材を一切つかっておらず、アイテムの金属部分にも再生可能なメタルを使用しています。
その他にも、さまざまな再生可能であり環境負担の少ない素材を使用しているブランドなので、長く使いたくなるアイテムをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

本日は以下について解説しました。

  • 売れ残り商品の行方市場は右肩下がり、売れ残りイコール廃棄ではない
  • フランスで衣類の売れ残り廃棄禁止法がスタート→売れ残った衣料品は寄付やリサイクルが義務づけられた
  • それぞれの企業の取り組み→スタートアップ企業でサスティナブルに取り組む企業が生まれている

本日は、ファッションの売れ残り商品の行方と。
サスティナブルに取り組む企業への紹介をさせて頂いた。

エシカル消費が当たり前になり、欧州でも廃棄問題をなくす法律が施行されている今。
日本でも廃棄を無くすための取り組みやそれをしない企業へは買わないなど。
消費者マインドも変化して行くのではないのかな?と思う。

とりあえずは、売れ残った商品は全て廃棄していると言う誤解は今回で解消されたかなと思います。
アパレル企業もビジネスですから。
生き残りをかけて全力で取り組んでいるんですね。

しっかりと見た中で選択をして行きましょう♩

本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございます。

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