おはようございます。モウリです
先日東京の観光スポットの1つ「築地」に行きました。
「築地市場」はお昼過ぎにも関わらず観光客で賑わっていましたね。
また「築地」に行った際に、『築地本願寺』へ参拝しに行ったのですが。
どうも奇妙な造りの建物。
日本の寺院ぽくないどこか洋風な建築様式。
室内も僕たちの想像する仏教とは少し違った雰囲気。
そこで本日は
- 東京の観光スポット『築地本願寺』について
- なぜ独特な雰囲気の建物になったのか?
- 築地周辺情報も
東京に住んでいる人もおそらくそこまで詳しく知らない人も多いんじゃないでしょうか?
また観光で東京へ行かれる際は、ぜひ立ち寄って頂きたいスポットの1つです。
『築地本願寺』周辺のおすすめスポットもご紹介しますので。
是非最後までご覧頂ければと思います。
他の寺院と少し違う独特な『築地本願寺』について
画像出典:築地本願寺
築地本願寺の正式名称は「浄土真宗本願寺派築地本願寺」。
浄土真宗の宗祖は親鸞聖人です。
築地本願寺は会社でいえば“関東支社”にあたり、“本社”にあたる「本山」は、京都の龍谷山本願寺、いわゆる西本願寺です。
京都に西本願寺と東本願寺があることは、ご存知のことと思います。
では、この違いは?
画像出典:西本願寺
ここでは五木寛之氏の『百寺巡礼 第五巻関東・信州』(講談社文庫)「第四十三番 築地本願寺」を参考にしながら、ごく簡単に解説することにします。
戦国の世、織田信長は本願寺教団と激しく対立。
10年あまりの戦いののち和議を結ぶとき、信長は、本山・石山本願寺の明け渡しを要求します。
門徒は賛成と反対に分かれました。
その後、豊臣秀吉の時代、賛成した側は秀吉の庇護を受け、反対した側は取りつぶしとなります。
しかし、徳川の時代になると、反対した側にも本願寺再建の土地が与えられ、「ここに本願寺は二派に分裂することに」(同書)なりました。
明け渡し賛成側が、今の西本願寺、反対したのが東本願寺です。
徳川家康は東本願寺を厚遇し、西本願寺を冷遇したとされます。
しかし、冷遇されても徳川に近づかなければ、教団の運営は難しい。
そこで西本願寺は徳川幕府への接近を試み、家康の死後まもない1617(元和3)年、浄土真宗本願寺の第12代宗主である准如(じゅんにょ)が、現在の浅草周辺に「江戸浅草御堂」いう坊舎を建立したのが築地本願寺の始まり。
その後、徳川幕府が京都の本願寺の別院として正式に認めたことで、その影響力が増していきました。
しかし、1653(明暦3)年、明暦の大火により別院は焼失。
幕府は代替地を指定しますが、それは八丁堀の「海上」でした。
そのとき活躍したのが佃島の門徒たち。
彼らは江戸開府のとき、摂津国(現在の大阪府北部と兵庫県の南東部のあたり)佃村からやって来たのですが、摂津国の頃から西本願寺の熱心な門徒でした。
彼らが中心となって海を埋め立て、1679(延宝7)年に別院「築地御坊」が再建されます。
その土地が後に「築地」と呼ばれるようになりました。
この御坊は1923(大正12)年、関東大震災にともなう火災で焼失し、その後、現在の築地本願寺が建立されることとなります。
参考文献:日本文化の入り口マガジン 和樂web、TheGATE
ではなぜ?現在のような様式の建物になったのか?
実は関東大震災が起きる前の「築地御坊」は、いかにも寺院ぽい和風な建物でした。
画像出典:江戸土産 築地本願寺
いかにも西本願寺っぽいですよね?
ではどうやって現在の姿になったのでしょうか?
それは、ある日本人2人によるものです。
一人は西本願寺第22代門主・鏡如(きょうにょ)上人こと、大谷光瑞(こうずい)。
もう一人は、建築家・伊東忠太(ちゅうた)です。
大谷光瑞は、仏教の源流をたどる大谷探検隊を発案した人物。
「英語が堪能で、東洋的教養がゆたか、明治生まれには珍しいほどの長身で立派な体格」(『築地』本願寺出版社東京支社・編纂)だったそうです。
1902(明治35)年から12年間、断続的に中央アジアを巡っています。
東京帝国大学(現在の東京大学)名誉教授で建築史家の伊東忠太は、「アーキテクチュア」の訳語として「建築」という言葉を当てようとした最初の人。
法隆寺に魅せられ、そのルーツ探しに中国、インド、トルコに3年間留学し、欧米を経由して帰国しますが、留学へ出発したのが1902年でした。
そして、1903年、大谷光瑞はいませんでしたが、大谷探検隊の一員に中国の奥地で偶然出会い、帰国後、大谷光瑞と出会いを果たします。
大谷光瑞と伊東忠太は、門主と建築家という違いはあるものの、日本を飛び出して世界を舞台に発想するというスケールの大きさが共通しています。
二人は互いに意気投合し、交流を重ね、やがて築地本願寺建築へとつながっていきます。
築地本願寺は1931(昭和6)年に起工され、1934(昭和9)年に完成しました。
伊東忠太が手がけたほかの主な建物は、平安神宮(1895年)、明治神宮(1920年)、大倉集古館(1927年)、靖国神社遊就館(1931年)、湯島聖堂(1934年)など。いずれも“常識的”な建物であることに驚くかもしれません。
前出『築地』によると、伊東忠太は「仏教はインドのもの」「だから建築もインドのものでなければ」と考えたようです。
日本の仏教建築は、実は中国の民家とのこと。
中国では僧侶がふつうの民家に住んでいて、そこが寺院という機能を果たすようになりましたが、それがそのまま日本に伝わりました。
伊東忠太は、かつてのインドの仏殿に戻すべきと考えたのです。
しかし、インドはすでに仏教ではなく、ヒンズー教の国。
残っている寺院建築は石窟寺院くらいしかありません。
それらを参考にしつつも、伊東忠太は自分の理想、発想を大きく羽ばたかせて、新しい時代のシンボル=築地本願寺を設計したのでした。
中央区役所が発信するYouTubeチャンネルでも詳しく解説しております。
併せて載せておきますね。
ここに注目してほしい『築地本願寺』
建物の造りが独特なのはお分かり頂けると思います。
ここでは注目ポイントをいくつかピックしてご紹介しようと思います。
- 様々な建築様式を用いた建物
- 数カ所にいる動物たち
- 立っている「 」
順番に解説して行きます。
様々な建築様式を用いた建物
『築地本願寺』は本堂の他、境内を囲む大谷石積塀や正門、北門、南門が重要文化財に指定されています。
そんな重要文化財にいつでも身近で感じられるのは素晴らしい事ですね。
まず大前提として、ほとんどの寺院は木造建築であるという事です。
ここで珍しいのは、『築地本願寺』は、鉄筋コンクリート造の寺院であるという事です。
実はもう1つは、浅草の浅草寺。
浅草寺は鉄筋コンクリートを使って、中国式の木造建築をそっくり作ってしまったから、誰もコンクリートだとは思わないが。
この2つが珍しい鉄筋コンクリート造で造られている。
屋根は陸屋根が、屋上の中央にヴォールト屋根を作っており、正面には蓮華をモチーフとしたデザインが見られます。
これは、インド寺院がモチーフとなっていると言われています。
画像出典:https://www.tokyodrive.jp/
また、北と南には、インドの仏塔(ストゥーパ)風の塔屋があります。
中央部には4本の柱があり、向拝と大階段が設けられています。
画像出典:https://tsukijihongwanji.jp/
外観は1階が石張り、2階はモルタルに目地を刻んで石張り風に見せています。
内部の柱や梁はコンクリートですが、組物や格天井などは木製で、木造仏殿の要素も各所に見られます。
また、柱頭やパラペットのデザインはインド風ですが、窓は日本の仏教寺院をモチーフにしており、イスラム風のアーチみあり極めて折衷的です。
全体的な外観はインド風のデザインですが、1階を基壇とみると、列柱のある2階が基準階となり、パラペットがエンタブレチュアであり、西洋の古典建築とのつながりもみられます。(そういうふうに見ることもできます!)
入口床にはモザイク、扉上はステンドグラス、仏教賛歌(西洋音楽を取り入れた仏教音楽)用としてパイプオルガンもあります。
この本堂には、インド、西洋、イスラム、日本などのモチーフを融合され、見ていて実に飽きない建築です。
礼拝、説教、会議、事務などをスムーズに行える合理的な設計で、伊東忠太の代表作といえます。
画像出典:お寺なのに本堂の天井にはシャンデリアが
数カ所にいる動物たち
画像出典:https://www.nippon.com/ja/
築地本願寺を散策していると目に入るのが、動物の像です。
正面の階段下に鎮座している左右の獅子像。
いわゆる狛犬の役割をしているようです。
階段を上がったところにある柱には阿吽(あうん)が、その他にも牛・馬・象といった動物像が配置されています。
いずれも仏教と縁の深い動物たち。
本願寺には、「グロテスク」と呼ばれる珍獣や青龍・朱雀・白虎・玄武といった神話に出てくる動物も見られます。
これらは全て建築家である伊藤忠太によってデザインされたもの。
随所に配された動物たちを探すのも楽しいかもしれません。
立っている「阿弥陀如来」
画像出典:https://www.nippon.com/ja/
『築地本願寺』の本尊は、聖徳太子手彫と伝承される「阿弥陀如来立像」が居る。
まさに凛とした立ち姿。
築地本願寺のご本尊・阿弥陀如来をお参りする際は、「なもあみだぶつ」とお念仏をとなえましょう。
築地本願寺の阿弥陀様がなぜ立ち姿なのかというと、 “いま一人ひとりを救いに来てくださっているお姿”を表しているからです。
ここで「阿弥陀如来(あみだにょらい)」についても触れておきます。
無限の寿命を持つことから無量寿如来ともいいます。限りない光(智慧)と限りない命を持って人々を救い続けるとされており、西方極楽浄土の教主です。四十八願(しじゅうはちがん)という誓いを立て、その中には「南無阿弥陀仏」と唱えたあらゆる人々を必ず極楽浄土へ導くとあり、広く民衆から信仰されました。ちなみに他力本願も四十八願の誓いから来ており、本来は阿弥陀様にすがって極楽に行こうという意味です。
阿弥陀三尊として聖観音と勢至菩薩と並ぶ姿が多いです。さらに二十五菩薩を従え、雲に乗って往生者を迎えにやってくるといわれています。そのほか来迎の様子をあらわす場合もあります。極楽往生、現世安穏のご利益があります。また、戌・亥年生まれ守り本尊です。
出典元:https://www.butuzou-world.com/
アクセス情報
浄土真宗本願寺派 築地本願寺
〒104-8435 東京都中央区築地3-15-1 電話:0120-792-048(コンタクトセンター)
本堂参拝時間
6:00〜16:00(夕方のお勤め終了後)
地下鉄をご利用の場合
東京メトロ 日比谷線「築地」駅 出口1直結
東京メトロ 有楽町線「新富町」駅 出口4より徒歩約5分
都営地下鉄 浅草線「東銀座」駅 出口5より徒歩約5分
都営地下鉄 大江戸線「築地市場」駅 出口A1より徒歩約5分
お車、バイク、自転車でお越しの場合
晴海通り沿い車両出入口(南門)よりお入りください。当院守衛にお声がけください。
※お車、バイクの月島方面よりの右折入場は出来ません。
※駐車・駐輪は築地本願寺に御用の方のみとさせていただいております。
※駐車・駐輪スペースには限りがございますので、公共交通機関でのご来院をおすすめいたします。
『築地本願寺』周辺おすすめスポット
やはり一番は「築地市場」ではないでしょうか?
本当近くでしたら、銀座や汐留、月島なども近いのですが。
今回は、「築地市場」に焦点を当てておすすめスポットをご紹介いたします。
築地すし大 本館
画像出典:https://tkjm.jp/
その日一番の最高のネタを仕入れ、極上の寿司を握る人気店です。
旬にはこだわり、季節感たっぷりの寿司を楽しむことができます。
おすすめは、おまかせにぎり(季節のにぎり、お好みのにぎりなどのセット)。
シャリは小さめなので、女性でも気になるネタが沢山いただけますよ!
画像出典:https://tabelog.com/
まぐろどんぶり瀬川
画像出典:http://shinise.tv/
漬けまぐろを丼でいただける人気店です。
築地で仕入れる新鮮なまぐろを漬けるのは、深いコクが特徴の上品な漬けダレ。
タレのコクがまぐろの旨味を引き立てます。
ご飯はシンプルな酢飯で、漬けまぐろ、わさび、海苔、薬味との相性も抜群。
リピーター続出の名店です。
画像出典:http://shinise.tv/
つきじ 丸武
画像出典:https://www.tsukiji.or.jp/
「つきじ 丸武」は大正末期創業の玉子焼き専門店。
演出家・テリー伊藤さんの実家としても知られ、80年以上変わらない伝統の味を守り続けています。
自慢の玉子焼きは添加物を一切使わず、秘伝のダシのみで作られており、築地に来たら外せない一品です。
本店の4軒隣の2号店では、焼きたて熱々の厚焼き卵焼きがその場で食べられるため、食べ歩きに最適。
船橋にも店舗がありますが、焼きたてが食べられるのは築地店のみとなっています。
画像出典:https://tsukiji-go.com/
幸軒
画像出典:https://www.tsukiji.or.jp/
築地に店を構える昔ながらの中華料理店。人気があるのは、ソースで食べるシュウマイです。
テリー伊藤氏が絶賛したというこの食べ方は、築地の名物にもなっています。
ほかにもラーメン、茶碗カレー、冷やし中華(期間限定)などが人気。
画像出典:http://www.tsukijioo.com/blog/
鮨國
画像出典:https://www.tsukiji.or.jp/
行列ができるほどの人気店である「鮨國」。
その看板メニューは何と言っても「元祖こぼれウニ丼」。
季節ごとに選び抜かれた新鮮なウニを目一杯楽しめる逸品です。
名前の通り、こぼれ落ちそうなほどたっぷりとウニが乗っており、食べ始めてもなかなかご飯が出てこないほど。
握り鮨も食べられますが、鮨國に行くならばやはり丼を楽しむ人が多いです。
ウニを思う存分味わいたい時はぜひ立ち寄ってみてください。
画像出典:https://gajesta.com/
おにぎり屋 丸豊
画像出典:https://www.tsukiji.or.jp/
朝5時から営業している海鮮「おにぎり屋 丸豊」。
築地で働く人たちにも人気のおにぎり屋さんです。
こちらのおにぎりの特徴は、何と言ってもたっぷり具が入った巨大おにぎりです。
おかかなど定番のものから新鮮な鮭、うなぎ、たこ飯などおにぎりの種類は30種類以上。
築地ならではの素材の味を生かした愛情こもったおにぎりを目一杯楽しめます。
イートインスペースもあるため、築地の朝の雰囲気を感じる事もできる「丸豊」。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
画像出典:https://tabelog.com/
まとめ
本日は以下について解説いたしました。
- 他の寺院と少し違う独特な『築地本願寺』について→別院「築地御坊」の関東大震災による火災により、現在の築地本願寺が建立される
- ではなぜ?現在のような様式の建物になったのか?→「仏教はインドのもの」「だから建築もインドのものでなければ」と考え
- ここに注目してほしい『築地本願寺』→様々な建築様式を用いた建物、数カ所にいる動物たち、立っている「 」の3点
- 様々な建築様式を用いた建物→インド、西洋、イスラム、日本などのモチーフを融合され、見ていて実に飽きない建築です。
- 数カ所にいる動物たち→随所に配された動物たちを探すのも楽しいかもしれません。
- 立っている「阿弥陀如来」→ “いま一人ひとりを救いに来てくださっているお姿”を表しているから
- 『築地本願寺』周辺おすすめスポット→ 築地すし大 本館、まぐろどんぶり瀬川、つきじ 丸武、幸軒、鮨國、おにぎり屋 丸豊
『築地本願寺』をはじめ築地市場など「築地」という街は魅力溢れる街です。
江戸の下町感も感じられる築地は、東京の観光スポットの1つです。
特に『築地本願寺』は他では見られない建築様式ですから。
「築地市場」など訪れた際は是非足を運んで見てください♩
本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございます。
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