ウェアやシューズに記載されている「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何なの?

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おはようございます。モウリです

この秋冬から活躍するのがアウターやブーツ。
アウトドアブランドのウェアを着用するとたまに「GORE-TEX(ゴアテックス)」と書かれた表記を目にしませんか?


画像出典:https://hyakkei.me/

特にスキーやスノーボード、登山などアウトドアスポーツのご経験がある方は「GORE-TEX(ゴアテックス)」と書かれたウェアやアイテムを着用した事があるかもしれませんね。

でもここで疑問に思う事が

  • 「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何なの?
  • 「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何がすごいの?

わかりますよ。
ウェアに堂々と「GORE-TEX(ゴアテックス)」って書きすぎやろ!」って思いましたもん。
そこで本日は「GORE-TEX(ゴアテックス)」について、その疑問を解消して行こうと思います。

最後までお読み頂ければ。
「なるほど!だから「GORE-TEX(ゴアテックス)」を使っているのか!」と納得頂けると思います。

「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何なの?

結論:素材の事を指します
「ゴアテックス (GORE-TEX) 」は、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造販売する防水透湿性素材の商標名を指します。
日本では、日本ゴア株式会社が担っています。

「GORE-TEX(ゴアテックス)」ができるまで


画像出典:https://www.gore-tex.com/jp
1958年にウィルバート(ビル)・ゴアとジェネヴィーヴ(ヴィーヴ)・ゴアが、デラウェア州ニューアークの自宅の地下室にて W. L. Gore & Associates を創業しました。
ビルは当時まだ開発されていなかった「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」というポリマーの潜在的な可能性を信じ、その研究開発を行うためデュポン社を退職。

アメリカの化学会社、「デュポン社」で開発メンバーとして勤務していた時に、PTFEというフッ素系樹脂が「これはもっと何かに使えるぞ!」と、大いなる可能性を見出していました。でも、デュポン社では研究開発を進められず、会社を辞めた彼は自宅のガレージで研究をはじめたそうです 。

PTFEとは?

身近なものでいうと、テフロンです

ものがくっつかないようにフライパンの表面に加工してありますよね。
熱を遮断したり、電気を通さなかったり、熱いところでも硬くならなかったりと、色々な利点がある樹脂です。
もともとは電気ケーブルのカバーとして開発されたものでした。

ゴアテックスの原型を発見


画像出典:https://www.gore-tex.com/jp

1969年に、息子のボブがある条件下で PTFE を急速に延伸させたことがきっかけとなり、「延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)」が誕生。
低吸水性や優れた風化特性など、多くの素晴らしい特性を兼ね備えた非常に強靭な微孔性材料の発明でした。

どうやって布に変わったのか?


画像出典:https://www.descente.co.jp/media/

PTFEはただの塊ですが、それをある方法でギュッと伸ばすと、中に細かい気泡が発生して、同じ厚みのまま伸びることを発見したんです。
たとえば、筒状のものを引っ張ったら、薄く伸びますよね。
ですが、ボブが発見したとある条件で伸ばすと、同じ太さのまま伸びるんです。
その機能の中に防水透湿を見出して、そこから「ウェアにしよう」と考えたんです。


画像出典:https://hyakkei.me/

ウェアの形に切り取る前は一枚の薄い布。1平方センチメートルあたり14億個以上の孔(あな)があり、これが優れた防水性、透湿性、防風性 を生みます

ePTFEはウェア以外にも使われている


画像出典:https://www.medicalexpo.com/ja/

PTFEだと重かったり硬かったりしていたので、もっと軽量化して増やせば色々なことに使えるよねと、理論上では考えていたようです。
伸ばすことに成功したら、本当に色々な機能があって、その中に防水性と透湿性もあった。
で、それってアウトドアウェアに使えると考えたんです。
それに、人間の体に埋め込んでも生体反応が起きにくいので、人工血管もePTFEで作られています。

外科系のお医者さんにGORE-TEX®と言うと、レインウェアではなく人工血管を思い浮かべるようです。
むしろ、「え、洋服作ってるの!?」って言われるほど(笑)。
他にも、防水性のある携帯電話やカメラ車のヘッドライトにもこのePTFEは使われています。
1種類だけですが、『エリクサー』というギターの弦もゴア社が作っているんですよ。

ePTFE (GORE-TEX® メンブレン)の原料は何なの?


画像出典:https://www.descente.co.jp/media/

天然鉱石のホタル石を原料にした、ePTFEというフッ素樹脂からできています
このホタル石を薬品などで溶かしてフッ素を抽出します。

水を通さないのに蒸れない「防水透湿」という機能はどういう構造?


画像出典:https://www.descente.co.jp/media/

ゴアテックスの孔(あな)は、水滴が通過できないほど小さく、水蒸気の分子よりは大きいのです。
それによって、ゴアテックス ウェアは、雨などの水の侵入を防ぐと同時に、汗による水蒸気を放出するため蒸れにくく快適な環境を維持することができます。

やはりアウトドアの環境では汗をかいたときに蒸気を逃がさないと汗冷えに繋がることもあります。
ただ防水するだけでなく、透湿性もウェアとしてはとても大事なことだと思います。
防風性もありますよね。

*実験手順は、コップに入れた生地の中にお湯(いわゆる汗)を注ぐだけ。
GORE-TEX® ファブリクスは、もわ~んとコップの中が曇っているのが分かる。これが、水を通さず水蒸気を通している証拠。ウェア内が蒸れにくいという事。ビニールは、水蒸気を通さないので、なにも変化がない。


画像出典:https://www.descente.co.jp/media/

風というのは、空気の流れの“かたまり”が体に当たって風や風による寒さを感じるのですが、ゴアテックスは立体的なくもの巣のような構造になっているので、風が散ることで体に当たる風を防ぐという仕組みです。

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「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何がすごいの?

さてここからが本題と言えます。
よくアウトドアブランドのウェアには「GORE-TEX(ゴアテックス)」と書かれていますが。


画像出典:https://www.chums.jp/

この「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何がすごいの?と言疑問を解消していきましょう♩

大きくは3つあります。

  1. 物質的な側面
  2. システム的な側面
  3. 品質の管理

順番に見ていきましょう♩

物質的な側面


画像出典:https://hyakkei.me/

GORE-TEX® ファブリクスは、防水性、透湿性、防風性 のある素材です。

表面の生地が「GORE-TEX(ゴアテックス)」と思う人も多いかと思いますが。
実際にはいくつかの生地が貼り合わせて一枚の布にしています。

例えばレインウェアの生地は、実は複数の生地が貼り合わさってできています。
表の生地があって、真ん中に白いフィルム、これをGORE-TEX® メンブレンと呼んでいますが、このGORE-TEX® メンブレン があって、一番下に裏地がある。
この3枚をしっかり張り合わせると、一枚の布になります。
これが、みなさんがよく見ているGORE-TEX® ファブリクスという素材です。

真ん中の白い布が『GORE-TEX® メンブレン』と呼ばれる部分。これ1枚で、防水・透湿・防風の三大機能を兼ね備えています


画像出典:https://hyakkei.me/

システム的な側面


画像出典:https://www.gore-tex.com/jp

GORE-TEX® ファブリクスが製品になるまでにどのようなことをしているか、素材の機能を100%生かすために行っている品質検査こそが、GORE-TEX® ファブリクスたるゆえんです。

ゴア社が考える防水とは、生地が水を通さないことではなく、“体を濡らさないことまでを含めて防水”ととらえています。
たとえGORE-TEX® ファブリクスを使っていたとしても、首元や裾から雨が入り込んでしまう場合、はそれをGORE-TEX®ブランドとは呼びません。
GORE-TEX® ファブリクスを使った製品=体を濡らさないデザインであることまでを含めて、GORE-TEX® ブランドであると定義しているからです。

メーカーさんが作った最終的な製品に対して、ゴア社が試験をして、それにクリアしないと販売することはできません。
生産直前のサンプルを送っていただき、実際に雨を降らせるテストを行います。
マネキンに着用させて、上から雨を一定時間当て、中が濡れていなければ合格です。

もし中が濡れていたら、もちろん不合格です。
どこかから水が入る構造だからです。
それを防水ウェアとは呼びません。
濡れてしまった原因、デザインや素材を修正してもらって、合格するまでそのテストは繰り返し行います
防水ウェアは、信頼が大切なので。

テストについては公式ホームページでもご覧頂けます。

品質の管理


画像出典:https://hyakkei.me/

ゴア社は、表地・GORE-TEX® メンブレン ・裏地を貼り合わせた一枚の布(=GORE-TEX® ファブリクス)を作って、各アウトドアメーカーに販売しています。

表地や裏地は、専門の生地メーカーから買っています。
ゴア社で作っているのは、真ん中のGORE-TEX® メンブレンと、生地メーカーから買ってきた生地を張り合わせた一枚の布地です。
中には、共同開発して作ったゴア社専用の布もあります。
その種類は、何千種類とあります。
それを各アウトドアメーカーさんが自分の作りたいウェアの用途に合わせてチョイスします。

トレラン用のウェアを作りたいのか、はたまたハードなマウンテンジャケットを作りたいのかで、強度や風合いをもって選んでいます。

メーカー側が表地と裏地の組み合わせも選べる?

選べない

ゴア社がいくつも組み合わせを用意し、貼り合わせた状態で選んでもらっています。
なぜなら、生地を貼った後に、強度や透湿、耐水のテストを行い、スペックを確認するからです。
なので、表地・裏地がなんでもいいというわけではなくて、ゴア社の基準で合格したものしか商品化はできません。

ちなみに、合格した組み合わせは少なくとも数十種類はあります。

GORE-TEX® メンブレンだけでウェアを作れない

GORE-TEX® メンブレンそのものが、防水・透湿・防風 の3大機能を兼ね備えているので、これでウェアを作れば、透湿性も最大ですし、防水性も防風性もしっかりある。
それに、柔らかくて軽くて薄いので、かなりスペックの高いウェアになるんですけど、触ってみると分かるのですが、柔らかすぎて洋服にはできないんです。
これだけでは、洋服に必要な強度・ハリといった要素が足りないんです。

なので、GORE-TEX® メンブレンを洋服にするために、表地・裏地を貼り合わせて、一枚の生地にする必要があるんです。

製品に使うシームテープも、独自開発の『ゴアシームテープ 』のみ使用。
テープの太さや貼り合わせる際の温度・スピードにまで基準を設け、細部にまで一切妥協しない


画像出典:https://hyakkei.me/

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「GORE-TEX(ゴアテックス)」を使用したウェアのお手入れ方法


画像出典:https://yamap.com/magazine

結論:洗うだけ◎です!中には洗っちゃいけないと思っている人もいるようですが、長く維持させるためには、洗濯がとても大切です。
それも、汚れたら洗うのではなく、着る度に洗ってください。
だって、登山ってたくさん汗をかきますよね。
見た目が汚れていなくても、蒸発した汗が生地を通して外に抜けているわけですから、やはり汚れは溜まるんです。

一般的な家庭用洗濯洗剤OKで。
普段着と同じで、落としたい汚れって、レインウェアも同じなんです。
汗とか体の皮脂油とか、埃による汚れなので。

透湿性が下がる結果論としては、表面の洗剤残りによるものです。
なぜなら、表面に洗剤が残っているとはっ水性が悪くなって水を弾かなくなり、表面に水がベターと貼りついている状態になる。
すると、ムレが抜けにくくなります。
ただ、残った洗剤で孔(あな)が詰まるんじゃないの?と考える方がいらっしゃいますが、それは間違いです。
洗剤で詰まるようなレベルの孔ではありません。


画像出典:https://yamap.com/magazine

ウェアに洗濯機OKと書いてあれば(取り扱い絵表示のこと)、他の化繊ウェアと一緒に洗濯機に放り込んでガラガラ回しちゃいます。
生地のダメージを気にしがちですが、よっぽど金属や石と一緒に洗わなければ大丈夫です!ただ、泥汚れが付いているウェアと一緒に入れる場合は、別々にした方がいい場合もありますが。

アウトドアで長時間着用できるウェアということで、Tシャツなんかの普段着よりも断然丈夫ですよ。
レインウェアを着るとき、結構タフな状況で使ってますよね?なのに、洗濯となると急にデリケート扱いになって、「おしゃれ着洗いした方がいいのかな?」ってなっちゃう。
ですが、洗濯によるダメージはほとんど考えなくていいです。
「洗いすぎで壊れた」ケースはこれまで一件もありません。
「シームテープが剥がれてしまった」といって製品が送られてくる場合は、ほぼ例外なく生地が汚れています。
汚れが一番、大敵なんです。

洗濯は、長持ちをさせるという面でも、はっ水性能を維持するという面でもプラスになります。
詳しいお手入れ方法は、ウェブサイトに詳しく書いているので、参考にして見てください。

「GORE-TEX(ゴアテックス)」を使用したウェア

最後に「GORE-TEX(ゴアテックス)」を使用したウェアやアイテムを何点かご紹介しようと思います。
アクティビティ以外でもタウニュースでも日常着として活躍できます。

機能性の良さから、この秋冬は活躍できる事間違いなしです。
参考にして見てください♩

The North Face クライムライトジャケット

アウトドアアドベンチャーで雨に濡れる場合を想定してデザインされたガーメントです。
雨の中、何日も友達と国立公園をトレッキングしているときでも、スノーボードで最高のツリーラン中に大雪が降ってきても、GUARANTEED TO KEEP YOU DRY™ プロミスで防水性と防風性のあるガーメントは、優れた透湿性と強固なプロテクションを備え、アドベンチャーをより快適にします。

Converse ALL STAR 100 GORE-TEX HI

マウンテンスポーツからカフェやギャラリーを訪ねるための散策まで、GORE-TEX フットウェアは幅広い活動のために設計されています。
最適化された透湿性とGUARANTEED TO KEEP YOU DRY™ プロミスで、あなたの足は1日中、1年中蒸れから解放され快適な状態を維持できます。
小さなステップから大きな飛躍に至るまで、毎日の活動の幅を広げることができます。

Burton GORE-TEX アンダー ミトン

より快適。
さらに優れたプロテクション。
GORE-TEX グローブは手を保護し、動きやすく快適なグローブとして、スキーヤー、スノーボーダー、バイカーなど、多くのアドベンチャー愛好家に信頼されています。
優れた防水性、防風性、透湿性に加え、GORE-TEX グローブにはさまざまな特長があります。

Mont-bell トレントフライヤージャケット

最善を望みつつ、最悪に備えよ。
登山というアドベンチャーに真剣に取り組むには、軽量で非常にコンパクトになり、優れた透湿性とGUARANTEED TO KEEP YOU DRY™ プロミスで約束された防水性を持つバックアップシェルがあると良いでしょう。
耐摩耗性と耐久性が非常に高いGORE-TEX PACLITE® PLUS ガーメントであれば、予測不能なアドベンチャーにも対応できます。

White Mountaineering GORE-TEX LUGGAGE MOUNTAIN PARKA

ストレッチテクノロジーを搭載した最新ファブリックをヨークと肩から袖にかけて切り替えで当て込むことで運動量の多い部分へのストレスを軽減したデザインになります。
身頃には、40dナイロンのGORE-TEXファブリクスを採用し、White Mountaineeringらしいオリジナル止水テープを配置しました。

CHUMS Spring Dale Gore-Tex Anorak

CHUMS の定番アウトドアシリーズ、”Spring Dale” の活動的なイメージを意識し、高い防水性と透湿性、防風性を備えながら、日常でも活躍するカジュアルなデザインに仕上げました。

Foxfire デュープロテクトコート

ゴアテックスの中でも透湿性に優れたパックライトを採用し、タウンからフィールド、オールウェザー、オールコンディションに幅広く対応します。

Merrell カメレオンストーム8ゴアテックス

メレルの王道ハイキングシューズ「カメレオン ストーム」シリーズに、アップデートした第 8 世代モデルが新登場。

まとめ

本日は以下について解説致しました。

  • 「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何なの?→素材の事を指します
  • ゴアテックスの原型→延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)
  • ePTFEはウェア以外にも使われている→人工血管、携帯電話やカメラ、車のヘッドライトなど
  • ePTFE (GORE-TEX® メンブレン)の原料→天然鉱石のホタル石
  • 「GORE-TEX(ゴアテックス)」って何がすごいの?→物質的な側面、システム的な側面、品質の管理の3点
  • 物質的な側面→防水性、透湿性、防風性 のある素材
  • システム的な側面→ゴア社が試験をして、それにクリアしないと販売することはできない
  • 品質の管理→表地・裏地がなんでもいいというわけではなくて、ゴア社の基準で合格したものしか商品化はできない
  • 「GORE-TEX(ゴアテックス)」を使用したウェアのお手入れ方法→洗うだけ◎です!中には洗っちゃいけないと思っている人もいるようですが、長く維持させるためには、洗濯がとても大切です

あなたが普段着ているウェアはもしかしたらゴア社が作った「GORE-TEX(ゴアテックス)」素材かもしれませんよ。

僕たちの普段の生活もまたアクティビティを快適に過ごせるのは。
品質の徹底管理によるものだったんですね。

今日の話が少しでも参考になれば嬉しいです。

本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございます。

 

 

 

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